落合福嗣さんに感心させられた社交性の高さ

2015年06月22日 12時00分

 中日・落合GMの長男・福嗣さん(27)が声優デビューを果たし、話題になっている。アフレコの場面をテレビで見たが、専門学校で2年間訓練し、業界大手の「青二プロダクション」に所属しているだけに、素人目ながら、かなりうまいと感じた。アニメ、洋画の吹き替え、ナレーションと、今後の活躍に期待だ。

 福嗣さんといえば「落合家チ○ポ丸出し大放送」「落合親子キス」など、本紙1面を何度も飾ってきた東スポ史に残るキャラクターである。年末に本紙プロ野球担当記者が独断で選ぶ「プロ野球大将」では2006、07年にMVPを受賞。歴史あるこの「プロ野球大将」で2度MVPに輝いているのは松井秀喜氏、田中将大、そして福嗣さんの3人だけということからも、いかに東スポ紙面に貢献してきたか、わかるだろう。

 福嗣さんは07年から2年半にわたって、東スポ携帯サイトでコラムを連載していた。その時の担当が自分だったのだが、毎週、打ち合わせをする中で、いつも感心させられていたのが彼の持つ明るさと社交性の高さだった。

 例えば、都内にある落合家の近くを一緒に歩いていると、近所や商店街の人たちがみんな「福嗣君、元気?」「福嗣君、またうちに来てよ」と声を掛けてくる。

 また取材で名古屋の東山動物園に行けば「フッくん、久しぶり。最近来ないから心配してたよ」と売店のおばちゃんたちに周りを囲まれモテモテ。平成の世の若者としては珍しく、地域社会の中で密接なつながりを築いていた。

 これも福嗣さんがいつも明るく元気に周りの人たちにあいさつをしていたからなのだろう。

「カメラマンにキック」「女子アナの胸を揉んだ」「ビビる大木に“お前つまらないな”とダメ出しした」など少年時代に数々の伝説を残した福嗣さんだが、思春期のころにはつらいことも含め、いろいろあったという。高校時代には一時、不登校になったこともある。

 だが、高校3年生の時には生徒会長を務め、大学時代にはキルギスに留学してロシア語を学ぶなど、様々な経験を積んで人間的にも成長した。礼儀正しく周囲の人と接する様子は、幼少時に数々の武勇伝を残したワンパク少年とは同一人物と思えなかったほどだ。

「大学を卒業したらスポーツ新聞の記者になれば? 東スポの入社試験受けてみなよ」。一度、福嗣さんにこう勧めたことがあった。母親の信子さん譲りの明るい性格で、初対面の人ともすぐに打ち解ける福嗣さんなら取材記者に向いていると思ったからだ。当時、一部では「中日新聞入りが決まっている」「日刊スポーツが濃厚」など福嗣さんの就職先をめぐる様々な噂が流れていた。

 だが、福嗣さんは「えー、東スポ!?」と本紙には全く興味なさそうだった。「まあいろいろ経験して、自分のやりたいことを探していきますよ」。こう語っていた福嗣さんだが、きっとそのころから声優の仕事に就きたかったのだと思う。アニメや映画の話をする時、福嗣さんの瞳は本当に輝いていた。

「頂いた仕事を全力でこなし、いずれは主役をやりたい。“僕流”でいく」。公開アフレコの会見で福嗣さんはこう語ったという。いつの日か、声優として主役を務めることがあれば、ぜひその時は自分が取材をしたいと思う。

(中京編集部長・宮本泰春)