ア軍番記者の“華麗なる転身”

2015年06月01日 12時00分

 4年ぶりのメジャーリーグ取材で米国にやって来た。久しぶりだから以前と比べて、いろいろな変化がある。JFK空港から降り立ったニューヨークの街並みは様変わりし、ヤンキースのスタッフも松井秀喜氏が在籍していた頃を知る人はほとんどいなくなって、すっかり新しい顔ぶれになっていた。時間がたつのは本当に早いものだ。

 たかが4年、されど4年——。そう痛感させられたのはヤ軍の西海岸遠征に帯同しての取材でオークランドへ行ったときのこと。アスレチックスの本拠地オー・ドット・コーコロシアムでジョー・スティグリッチ氏と4年ぶりに再会した。彼は以前、地元紙「オークランド・トリビューン」でア軍番記者として活躍していた人物。どうして過去形なのかといえば、4年ぶりに再会した彼が“華麗なる転身”を遂げていたからである。

「おい、ずいぶんと久しぶりだな。2011年以来じゃないか」と声をかけてきたスティグリッチ氏はビシッと決めたスーツ姿。4年前まではGパンとポロシャツが彼の定番だったので、声をかけられた時は一瞬誰であるか気がつかなかった。「どうしてそんなフォーマルな格好をしているんだ?」と聞いてみると、彼は“よく聞いてくれた”と言わんばかりの表情でこう口にした。

「“ステップアップ”できたんだ。トークの世界に入ったんだよ」

 彼いわく数年前に米スポーツ専門局「コムキャスト・スポーツネット」にヘッドハンティングされ、今ではア軍戦中継でリポーターを務めているというのだ。他のア軍番記者から耳にした情報によれば、スティグリッチ氏は甘いマスクと軽妙なトークでかなりの人気を集めているらしい。

「今日の夜6時半スタートでリポートするから、プレスボックスにあるテレビのモニターで見ていてくれよ」

 4年前は互いに結構なバカ話をしていたはずだが、今となってはそれも昔の話。現在の彼は全身から“以前までの自分とは違うんだぞ”というオーラを放って一挙一動が気品に満ちあふれていた。

 40歳をとうに過ぎた私だが、今でも何かとワーワー騒ぎたがる子供っぽい性格は相変わらず。スティグリッジ氏と再会したことでジェントルマンの気質を身に付け、もう少しちゃんとしたオトナにならなければいけないなと身に染みて感じさせられた。

(運動部デスク・三島俊夫)