某有名女優との交際の噂について談志さんを直撃したら…

2015年02月26日 12時00分

 ビートたけし本紙客員編集長がドラマで立川談志役を演じることが話題になっている。2011年11月に亡くなってから3年以上たつが、その存在感は今なお色あせていないようだ。

 自分はインタビューなどでじっくり話を聞いた経験はないが、その豪胆さというか、器のデカさを目の当たりにしたことがある。

 今から30年以上前、自分がまだ新人記者のころだ。談志さんと某有名女優との交際の噂について、本人を直撃取材しようということになった。そして、ある日の夜、大島から東海汽船で東京の竹芝桟橋に到着と判明。船から降りたところを直撃するため、カメラマンと2人で船が着くのを待った。

 正直ビビった。なにしろ、それまで会ったことすらない。どちらかといえば「武闘派」っぽいイメージが強く、直撃した瞬間「くだらねぇこと聞くんじゃねえ!」とブチ切れ、殴られるのではないか、とさえ思った。

 心臓がバクバクになりながら、2時間ほど待機していただろうか。ついに船が到着した。降りてくる乗客は少なかったため、すぐに談志さんの姿を確認することができた。その直後、バシャバシャ!とカメラマンのフラッシュがたかれた。夜なので仕方ないが、大抵の人間はフラッシュの閃光に驚き、怒り出すか逃げ出すものである。

 しかし、談志さんはどちらでもなかった。フラッシュを浴びせられながら「何かあったの?」と言って、表情ひとつ変えずに淡々と取材に応じたのである。しかも噂の女優については「ああ、あれは前になんとなく面倒みたんだよ」とあっさり関係を認めたのである。そして何事もなかったように車に乗り込み、帰って行った。

 内心ほっとしたものの、その一方であまりにすんなり取材が終わり、拍子抜けしたものである。

 その後、何度も直撃取材を行い、取材対象をブチ切れさせたことも少なくない。しかし、直撃取材でフラッシュをたかれて全く動じなかった人間は談志さんだけである。

(編集顧問・原口典彰)