名将・岡田氏の「二度とやらない」発言の裏側

2014年12月15日 12時00分

 1998年フランスW杯、2010年南アフリカW杯と日本代表監督を2度も務めた岡田武史氏(58)が先日、ゲームソフトのイベントに出席し、今後は日本代表監督を「二度とやらない」と宣言した。

 現在、日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)に八百長疑惑が浮上している。本人は否定しているもののスペイン紙などの報道によると、アギーレ氏を裁判所に告発する準備が進んでおり、場合によっては、去就問題に発展することは避けられない状況だ。

 そこで現在フリーで2度の代表監督経験のある岡田氏の動向に注目が集まっていたが、3度目の就任について、公の場で「二度とやらない」と明言した。これで、アギーレ監督が有事の際の“後任争い”からは完全に消えたとも思われるが、実は、これも岡田流のコメントだろう。

 岡田氏は98年フランスW杯後に退任したときも「二度と(日本サッカー)協会の仕事はしない」と宣言していた。当時、キング・カズことFW三浦知良をW杯メンバーから外し、大きな社会問題になった。この際、協会側が岡田氏をまったく擁護してくれなかったことなどが理由とされ「やらない」という固い決意を持つと見られていた。

 ところが、07年にイビチャ・オシム監督(当時)が脳梗塞で倒れた際、協会側が「非常事態」として、岡田氏にオファーすると過去のしがらみを払拭し「理屈ではない」と方針転換し、快諾した。だからこそ、今回の発言も、アギーレ監督が在任中であることに配慮したことはもちろんあるにしても、岡田氏の真意ではないはずだ。

 日本代表監督を務めるには、周囲の理解とファンからの大きな期待を背負わなければならない。当然求められる状況でなければ、チーム強化もうまく進まない。だからこそ有事の際に「やっぱり岡田しかない」という状況になれば、3度目の監督就任の可能性も十分にあるだろう。

(運動部デスク・三浦憲太郎)