大人が振り回される凄まじい妖怪メダル狂騒曲!

2014年11月27日 12時00分

 ゲームでもアニメでも「妖怪ウォッチ」ブームだ。特にすさまじいのは発売直後に即完売してしまう「妖怪メダル」というプラスチックのグッズ。メーンターゲットの小中学生だけでなく、成人男性もはまっている。すでにこのメダルをめぐって、さまざまな悲劇が起きている。

 妖怪メダルとは、ガチャガチャや、コンビニなどで販売されているラムネなどのおまけとして購入することができる。基本的に1枚100円。裏にQRコードがある。デパートや家電量販店に設置されている「おみくじ神社」というゲーム機でQRコードを読み取り、妖怪とバトルし勝利すると、おみくじを引くチャンスを得る。大吉を引くと、レアな「大吉メダル」をゲットできる。

 このおみくじ神社には、いつも行列ができている。1人3分ほどかかる。行列ルールとして1人1回やったら、次の人と交代で、もう一度やりたい場合、最後尾に並び直す。独身男性は平日の昼間、子供が学校に行っているスキに、仕事をさぼって何度もやって、大吉メダルを集める。

 土日になると、大吉を引く可能性を増やすために、祖父祖母、父母、子供たち一家総出。しかし、当たる確率は100分の1とも10分の1ともいわれている。2時間並んで、1枚も大吉が出ないことがある。外れた子供の前でおっさんがあっさり大吉を引き、泣き声が上がるなんて場面もある。

 あるマニアは「投機目的で組織立った大人たちの異様な行列もある。そのグループは東京と地方都市で別々にやってて、携帯電話で『埼玉組は○○メダルが出たか? それは埼玉では売らず、高く売れる東京に持ってこい』などと、相場を調べながらリアルタイムで売買の話をしている」と話す。

 たまに家電量販店、デパートで貴重な「キャンペーンメダル」が販売されることがある。中身が分からないよう封入された状態で販売されており、当たる確率は30分の1。その他は雑魚メダルだ。マニアは「コンビニでは1人5袋までしか買えない。しかし、家電量販店では箱買いできるので、30個まとめて買えば、必ず当たる。マニアが集まり、朝6時には整理券配布終了するほどの人気」と語る。

 大吉メダル、キャンペーンメダルよりもレアな「レジェンド妖怪メダル」というものも存在する。希少なおもちゃを扱う中古ショップでは1枚14万円もの値段がついているものまである。

 休日を潰しておみくじ神社や家電量販店に並ぶのがイヤで、カネで解決したい親たちはネットオークションで買う。

 しかし、11月上旬、複製したニセの妖怪メダルを9枚(2万3000円)販売した男が逮捕された。本物のメダルをよく知らないおじいちゃんたちがこのようなニセモノをつかまされて、孫に「これじゃない」と泣かれる事件が起き始めている。

 マニアは「フィギュア職人にメダルの型をとらせ、複製している中国人グループがある。レジェンドの巧妙なニセモノがネットオークションでは最低3万円で売れるそうだ」と明かす。

 格差社会の象徴にもなっているという。マニアは「金持ちの主婦の間では、ステータスになっている。子供にどれだけレアなメダルを持たせているかで、序列が決まるなんて、バカな話もある」と言う。

 純粋な子供の楽しみを超え、犯罪や社会問題の側面も目立ってきた。ずるい大人たちの悪意を排除しない限り、楽しいはずのブームに悪影響が出ることになりそうだ。それとも、子供にとって現実を知る、いい社会勉強になるのかもしれない。

(文化部デスク・三浦伸治)