数字が低くても注目を集めているのが沢尻エリカ(28)だ。主演ドラマ「ファーストクラス」は、その放送枠から綾瀬はるか(29)のドラマ「きょうは会社休みます。」との“水10対決”と言われているが、今のところ惨敗続き。この溝は埋められるのだろうか。

 かつては「エリカ様」と称されて、映画の舞台あいさつでの、あの「別に」発言は、今や“伝説の名言”となっている。ドラマにしろ映画にしろ「何かをしてくれそう」という期待を抱かせるのが沢尻。今回のドラマにしてもそうだ。「収録のたびに、何かあるんじゃないか、トラブルが起きるんじゃないかと、半ば期待感を持っていくんですが…」というのはある芸能プロマネジャー。

 ただ、初回の視聴率が低かったときも慌てたり、動揺していたのは、スタッフばかり。

「沢尻さんはあまり気にしてない感じでしたね。積極的に差し入れを持ってきたり、共演者に話しかけたり、むしろ和気あいあいっていう雰囲気。やっぱり女優として今回は失敗できない、勝負をかけているからトラブルなんか起こしてられない!ってところなんじゃないですか」(同マネジャー)

 そんな思いとは裏腹に視聴率は伸びてこない。様々な要因が指摘されているが「これからもっと苦しくなるかも」とも言われている。

 前回の「ファースト・クラス」と今回の「ファーストクラス」での大きな違いはキャストの豪華さだ。だが、これが大きなネックになっているとの声が出ている。なぜ?
「前回のマウンテンランキングは8人の女優が出ていましたが、物語の中心となっていたのは沢尻を含めて4〜5人で話が進んでいった。だから、分かりやすかったんですが、今回はそうもいかない。マウンテンランキングに出てくる11人の女性の多くが“名のある女優”。だから、一人ひとりに見せ場が必要なんです。当然、事務所的にも力のある所が多いから、『ウチのタレントが中心のストーリーも!』というプッシュもある。そうなると、話があっちこっちに行っちゃって、ストーリーがわかりづらくなる。まあ、数字的にこれから上がっていくのは難しいだろうね」と別の芸能プロ関係者。

 確かにこれだけの女優陣をまとめて出演させているテレビ局はすごいが、そのせいで視聴者が混乱してしまっては本末転倒。しかも「見ていけば分かると思うんですが、事務所のバーターでちょこちょこいろんな女優が出てくる。あまりに出演者が多ければ物語は間延びする。視聴者がどこまで付いていけるのか」と同関係者も不安げだ。

 単に集めればいい、いっぱい出せばいいというものではないという見本のようなドラマになっている。これでは、綾瀬ドラマに勝てる日は来ないかもしれない。

(文化部デスク・島崎勝良)