人気天ぷら店に現れたクレーマー女子2人の暴走

2014年05月29日 12時00分

 都内のとある学生街に、カウンターだけの小さな天ぷら店がある。切り盛りするのは物静かな老夫婦で、この道ン十年。私語厳禁、食べ残しダメなど、客には暗黙のルールがあり、守らないと怒られる。

 それでも、おいしい天ぷらが安く食べられるとあってファンは多い。「食べログ」の評価も高く、この街で天ぷらといったらここだ。近所にある有名私大の卒業生には、就職し転勤になっても、上京の機会があれば必ず立ち寄るというOBも多い。

 店主は注文を受けるとただ黙々と天ぷらを揚げて皿に盛り、女将さんも静々とご飯とみそ汁をよそる。老夫婦のあうんの呼吸を目の当たりにしながら、客もまた黙って出来上がりを待つ。そんな静寂と緊張感漂う〝頑固な店〟に、4月25日の昼下がり、とんでもないクレーマーが現れた。

 ちょうどランチ営業が終わる間際のこと。店に入った若い女子2人組は、客もまばらなカウンターでわざわざ手前の揚げ場近くに座った。注文を受け、店主が黙々と天ぷらを揚げていると、1人の女子の顔に油がはねた。

 その子はムッとして「氷ください」と要求。しかし店に氷がなかったため、女将は水で濡らしたおしぼりを渡した。すると、もう1人の女子は外に出て、自販機の清涼飲料を買って戻ってきたのだが、それで冷やすのかと思ったら違った。

「『揚げ場の近くだから、油がはねるのは仕方ないし、ウチの客は文句言わないよ』と言ったのが、余計怒らせちゃったのかも」と女将は後に振り返ったが、この女子コンビは会計の際、とんでもない暴挙に出た。

 2人が注文したのは、この店で一番高いえび定食とえび天丼、しめて1600円。財布から現金を出し、払おうとしたが、ただならぬ雰囲気を察した女将から「いらないよ」と言われると、金を引っ込めた。そして…。

「帰り際、おばあさん(女将)にお椀のみそ汁とお茶をぶっかけたんですよ! 奥にいた常連の留学生はビックリして、女性だから触ったらまたどんなクレームをつけられるか分かんないから、椅子を盾にして2人を追い払ってました」(目撃者)

 この店のみそ汁は熱々で出てくる。出してからちょっと時間がたっていたのと、エプロンをしていたため女将はヤケドしなかったのが不幸中の幸いだった。「(客商売を)50年やってるけど、あんなお客さんは初めて。今は女の子のほうがおっかないね」と女将はしみじみ語っていた。

(文化部デスク・醍醐竜一)