現在の芸能界を語る上で、絶対に外せないのがSMAP、嵐などを始めとするジャニーズタレント。テレビで見ない日はない。そんな彼らを発掘してきたのが、ジャニーズのトップ・ジャニー喜多川氏だ。

 現在、82歳と高齢だが、いまも健在。ある業界関係者は「まだまだ元気そのもの。本当に若いです。ジュニアの子たちのステージを見たりしているし、舞台のプロデュース能力は他の人には代えられない。しかもいま一番気にしているのが、2020年の東京オリンピック。どんな構想を練っているかは分かりませんが、五輪に向けてやる気満々。後継者争いなどと言われてますが、新たな目標を見つけたからでしょうか、最近はそんな話もどこ吹く風です」。

 幹部同士が次のジャニーズ事務所の主導権を巡り、躍起になっていると幾度となく報じられてきたが、そんな話をする人も少なくなったのは、ジャニー氏が「やる気満々」だからだろうが、それ以上に、「ジャニーさんがいなければジャニーズは成り立たない」といわれている要因がある。それが卓越した眼力だ。

 現在活躍しているジャニーズタレントたちは、CDデビューするまでジュニアとして舞台やコンサートのバックダンサーなどの経験を積んでいくのが常だが、そのジュニアを選ぶのがジャニー氏なのだ。

 ある芸能プロ関係者は「オーディションに受かってすぐにデビューというパターンはない。育てるのが前提になるから、当然、まだ10代前半の子がオーディションの対象になる。でも、10代前半の子を選ぶってのは、かなり難しいんです。やっぱり顔は成長するに従って、どんどん変わっていっちゃう。子役で人気があった子が、大人になるとパッとしないってよくあるでしょ。でも、大人になる前段階で『この子はいける!』と先々の成長の見極めは利くのがジャニーさんだけといわれている。あの眼力だけは、他の幹部連中にはできない芸当だといわれている」。

 だからこそ、「万が一のことがあったら、いま在籍しているタレントだけで勝負するしかない。オーディションで新たに“イケてる”タレントを発掘することができなくなるだろうともいわれているんです。ジャニーさんがいて初めてジャニーズ事務所が存在できるといわれているのはそのためなんです」と同関係者は言う。

 現在はタレントの差配などについては、ほとんど口を挟むことはないといわれており、ジュニアの舞台などを中心に育成にのみ力を入れている。

「2020年は6年後。それまでSMAPや嵐などが人気でいられるかは疑問ですからね。新しいタレントが出てくるかもしれない。そのときに大活躍できるタレントを、というのが当面の目標だったら、まだまだ老け込むわけにはいかないでしょうね」と同関係者。

 東京五輪のときにどんなジャニーズタレントが出るか楽しみだ。

(文化部デスク・島崎勝良)