松坂大輔と“あうんの呼吸”で再現した「太陽にほえろ!」名殉職シーン

2014年03月17日 12時00分

 ここ最近、レトロなテレビ番組を見る機会が増えたような気がする。今や当たり前のようにCS放送やケーブルテレビが各家庭に普及し、番組コンテンツが急激に増えたことが関係しているからだろう。

 ちなみに私の今の要チェックなレトロ番組は時代劇専門チャンネルで再放送中の「必殺仕事人Ⅲ」と「必殺仕事人Ⅳ」。普段は奉行所勤めでありながら全くうだつの上がらない昼行灯の主人公・中村主水が裏稼業で仲間とともに頼み人から仕事料をもらい、晴らせぬ恨みを晴らす。そんな毎回のようにお決まりのパターンが多いとはいえ、勧善懲悪の時代劇はやっぱり見ていてとても気持ちがいい。

 単に若い世代の人たちに付いていけないだけなのに「民放各局のくだらないバラエティー番組を見るよりはよっぽどマシだよな」と勝手にボヤキながら、最近はこの1980年代前半に人気を博した必殺シリーズの2番組にすっかりハマり込んでいる。

 そういえば、WOWOWでは今月21日から懐かしの「ウルトラマンA」がハイビジョンリマスター版としてオンエアされる。いまさら解説の必要はないだろうが、ウルトラシリーズも正義の超人が悪の怪獣や宇宙人をやっつける勧善懲悪のストーリー。子供向けの番組とはいえ、すっかりオジサンとなった今でもこういうヒーローものは十分楽しめる。特にウルトラマンAの各話には放映されていた昭和40年代後半の時代背景が細かく描写されており、これらもレトロなウルトラシリーズの魅力のひとつといえるだろう。

 さて前フリが少々長くなってしまったが、何でこんな話になったのかというと地上波のテレビ埼玉で再放送中の「太陽にほえろ!」を見ながら「あっ、そういえば…」と、ある出来事をふと思い出したからである。それなりの年齢になった人ならば誰もが知っている勧善懲悪の人気刑事ドラマの名殉職シーンを、あの松坂大輔と私が再現したことがあったのだ。

 今から4年ほど前の話。レッドソックスに在籍する松坂を取材しようとボストンへ行った当時の私の髪形はロン毛だった。ガラにもなく名優の故松田優作さんをちょっぴり意識したりもしていたのだが、周りの関係者は当然のごとく「ぜ〜んぜん、似合ってない」と失笑の嵐。

 そんな私を哀れんだのであろう。松坂は何の前フリもなく、私に両手で銃を撃つポーズを向けながら「三島さん、バキューン!」とやった。

 ピンと来た私は、これにすぐさま「なんじゃこりゃあ!」と呼応。松田さん演じるジーパン刑事が腹部に銃弾を浴び、自分の血を見ながら「なんじゃこりゃあ!」と絶叫する名殉職シーンを私と松坂は事前の打ち合わせなしに“あうんの呼吸”によってマネたのである。

 自分で言うのもなんだが、これはホントに絶妙のタイミングだった。それが証拠に周りの日本人スタッフとベテランのメディア関係者も驚きとともに「おおっ、懐かしっ!」と言いながら、その場で大笑い。それまで周囲に漂っていた微妙な空気を松坂は見事に払拭してくれたのだが、それにしても気になったのは1980年生まれの彼がどうして74年9月に放映された「ジーパン殉職のシーン」を知っていたのかということだ。

 聞けば、松坂も「太陽にほえろ!」だけでなく前出の必殺シリーズやウルトラシリーズなどのレトロ番組を「タマに再放送とかでやっていると、つい見ちゃうんですよね」とのこと。私と同じで昔ながらの勧善懲悪のストーリー展開にカタルシスを覚えるようだ。

 何かとストレスフルな現代社会においてイライラを募らせているビジネスパーソンの人たちはきっと多いはず。そんな時の“処方せん”として、私や松坂のようにレトロな番組をチェックしてみるのはいかがだろうか。

(運動部デスク・三島俊夫)