野球選手に「釣り」好きが多いのは理由がある

2018年06月25日 12時00分

 野球選手の「趣味」というと、ほとんどが「ゴルフ」だが、意外にも多いのが「釣り」だ。趣味の度合いにもよるが、代表的なのは城島健司氏だろう。現役時代から釣りエピソードには事欠かず、ついには自身の釣り番組まで持つほどだ。

 他にはロッテ一筋21年、通算1827安打を放った“いぶし銀”堀幸一氏(現・ロッテ二軍内野守備走塁コーチ)もかなりの釣り好きだが、自分が真っ先に思い浮かんでしまうのは、やはりこの人。ヤンキース・田中将大投手だ。

 海釣りもこなすが、近年はほぼバス釣り。キャンプ地のフロリダ州タンパには池も多く、トレーニングを終えるとバス釣りを楽しんでいた。最近ではテレビ番組の釣り企画でバスプロとも共演。今年のキャンプ時には「自己新記録」という59・5センチ、2740グラムの大型バスを釣り上げたことを自身のSNSにアップした。

 バス釣りではないが、自分もキャンプ中に何度か田中投手と海釣りをさせてもらったことがあった。とはいえ、釣り経験はほとんどなし。スポットを変えながら黙々とルアーを投げる右腕を横目に、見よう見まねでやってみたが“当たり”といえるものはゼロ。たまにエサに食いついた感触を得ることはあっても、針にかかることなく逃げられてばかりだった。

 一方の田中投手はというと、小型の魚をヒョイと釣り上げたかと思えば、次はなかなかの大きさのものと“格闘中”だったり…。ほどなくその場所から離れたので、すかさず移動し何度もルアーを投げたが、魚の気配すら感じなかった。

 悔しくなってしまった私は、半分ヤケクソ気味に「どうしたらそんな釣れるの?」と聞いてみた。すると、サラリとこう返されてしまった。「『魚の気持ち』を考えることですよ」。ただやみくもに投げるのではなく、潮の流れや魚の行動パターンなどを踏まえ“魚だったらどう反応するか”をイメージして臨むことが大事なのだろう。

 ド素人なりに釣りの奥深さを感じてしまったが、相手の心理を読み、誘い、捉え、仕留めるという駆け引きや一連の流れは、野球の勝負にも通ずるものがある。今さらながら、野球選手が釣りを好む理由がほんの少しだけ分かった気がした。

(運動部主任・佐藤浩一)