川淵三郎氏が強く訴えていた“人類最速”ボルト氏獲得

2018年03月26日 12時00分

“人類最速の男”こと陸上短距離の男子100㍍世界記録保持者、ウサイン・ボルト氏(31=ジャマイカ)がサッカー日本代表MF香川真司(29)の所属するドイツ1部リーグ・ドルトムントの練習に参加した。

 かねてサッカー好きを公言し、強豪マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の熱狂的なサポーターとしても知られている。昨年から報道されているようにボルト氏を支援しているスポーツメーカー「プーマ」がドルトムントのスポンサーだった縁で実現したもので、入団テストとも言われている。

 地元メディアでは、練習では自慢のスピードとともに足元の技術力をアピール。ミニゲームではゴールを決めたという。残念ながら香川は右足を負傷中のため“共演”はならなかったが、約1000人のファンが見守る中、ボルト氏もまずまずのパフォーマンスを披露し、念願のプロサッカー選手としての契約に高い意欲を示していたという。

 そこで思い出したのは2012年ロンドン五輪前に、日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏(81)を取材したときのことだ。ボルト氏は当時からプロサッカー選手への転身を熱望していたことを質問すると「日本のJクラブが獲得に動いてほしい。Jリーグの魅力を高めるには大物選手の加入も必要だ。ボルト獲得には絶対に手を挙げるべきだ」と語っていた。

 しかも、同氏はスターの獲得を見据え「それなりの資金は必要だが、観客動員が1試合平均で5000人増えれば(チケット1枚3000円として)20試合で3億円。それにアウェーでも観客は増えるので、全体が活性化すると考えればJリーグが不足分を出してもいい」と、資金面の裏付けを“皮算用”しながら持論を展開していた。

 実際、ボルトが練習に参加するという情報だけでも世界各国のメディアが報じるなど、現役を引退したいまでも、世間の注目度は高い。今季のJリーグには元ブラジル代表FWジョー(31)が名古屋に加入し、話題となっているが、あくまで日本国内での話。世界に大きなインパクトを与えるにはスターの獲得は不可欠だろう。

 Jクラブも知恵を絞って、さまざまなことに取り組んでいる一方で、期待されていた“ダゾーンマネー”の大きな効果はまだ表れていないように感じる。世界では豊富な資金を誇る“金満”中国サッカーへの関心が高まっているが、日本サッカー界も今夏のロシアW杯後には、世界を驚かせるようなニュースを発信してほしいものだ。

(運動部デスク・三浦憲太郎)