日本ハム・中田翔 悪い印象変わったファンへの“神対応”

2018年02月19日 12時00分

 17日からスタートした日本ハムの沖縄2次キャンプの取材に来ている。恥ずかしながら、このチームを本格的に取材するのは今回が初めて。当然ながら知っている人はほとんどおらず、ネタ元もごくわずかしかいない。右も左も分からない状況だが、逆に言えばそれだけすごく新鮮だ。中でもインパクトを与えられたのが、中田翔内野手の立ち居振る舞いである。

 正直に言って、これまで中田に対する印象はあまり良くなかった。日本代表「侍ジャパン」のメンバーとしてクリーンアップを任され、日本ハムの中でも文句なしの中心選手となっている。

 その一方で金髪に染めたり、アクセサリーを身に着けてプレーするなど、強烈なルックスから“練習もそこまでやらず、非紳士的な選手なのではないか”と勝手な妄想を膨らませていた。

 しかしながら、それは大きな誤解だった。米アリゾナの1次キャンプから帰国し、沖縄入りした中田は自慢の金髪を再び黒に戻した上、コンディショニングの面でも体重をかなり絞り込んでいた。帰国当日の17日には長旅の疲れも見せずに自主練習にも参加。打撃練習にも力が入り、ほぼ最後まで居残って汗を流し続けた。

 ちなみに今季の中田はチームの新主将に任命されている。やはり、そのあたりは、栗山英樹監督からも実は責任感の強い人間として一目置かれているのだろう。

 それを象徴するシーンが、17日の自主練習終了後に見られた。「あけおみSKYドーム」の入り口付近に集まった大勢のファンから、一斉にサインをせがまれた中田は開口一番で「今日はごめんなさい。子供だけにしてもらってもいいかな」と頭を下げた。

 移動直後の練習で疲れがピークに達していただけに、一刻も早く宿舎で骨休めしたかったに違いない。それでも、何人かの選手がファンからの呼びかけに応えずスルーしてしまう中、中田はきちんとエクスキューズしながら、小さな子供には公言通りにキチンとサインペンを走らせた。

 宿舎の前まで追っかけてきた一人の男性から「中田さん、サインお願いします!」と言われると、さすがにムッとするかと思いきや…「さっき“今日はダメだ”って言ったよね。でもしょうがないなあ、他の人には見つからないようにしてくれよ」。

 そう言いながら男性の差し出したユニホームに丁寧にサイン。「ファンを大切にする心優しき男」と思わずにはいられなかった。

 昨年は不本意な成績に終わってV逸の元凶とまで言われ、屈辱を味わった。その悔しさがあるからこそ、今キャンプでは自分の体を極限までイジメ抜いたのだろう。だからこそ肉体はかなり絞り込まれ、ファンへの対応を見ていても精神面でどこか落ち着き払って達観しているように見受けられた。心身ともに磨かれた今季の中田は、かなり期待できそうな予感が漂う。

(運動部デスク・三島俊夫)