巨人・菅野が挑む“夢の数字”

2018年01月29日 12時00分

 巨人・菅野智之投手(28)が27日、合同自主トレのためキャンプ地・宮崎へ向かった。日々、進化を続ける右腕は、ハワイでの自主トレで140キロ台前半の高速シンカーを体得したという。ちなみに昨年は「ストライクゾーンの奥行き」を最大限利用することを追求し、フォーク気味のチェンジアップをマスター。快投を見せた昨年のWBCでは「あのプレッシャーの中で試す勇気はなかった(苦笑い)」そうだが、シーズンではしっかり活用した。その向上心の高さには恐れ入る。

 昨年は沢村賞を初受賞するなど、数々のタイトルを獲得。「個人的には最高のシーズンでした」と振り返り、今季の目標に20勝と200イニングを掲げたが、もう一つ期待したい数字がある。“防御率0点台”だ。

 長いプロ野球の歴史で達成したのはわずか11人。最近の記録でも1970年に阪神・村山実氏が記録した0・98(156イニング)と、半世紀近く遠ざかっているが、緻密な現代野球において防御率0点台はもはや“夢の数字”と言ってももいいだろう。

 途方もない記録ではあるが、菅野にそれを期待してしまうのは一昨年、2016年の記憶があるからだ。当時、右腕は開幕から好調を維持。13試合に先発した段階で、防御率0・88をマークしていた。先発6人制で1年間フルに働いても24試合前後だから、ほぼ半分を消化していたことになる。夏場を迎え、シビアな戦いが続く後半戦を考えれば、そうそう簡単にはいかないが、いかに少ない球数でイニングを稼ぐかを念頭に置いた菅野の投球を見るたびに「ひょっとしたら…」と感じずにはいられなかった。本人も現実的な数字として意識していた。

 しかし、6月24日のDeNA戦(横浜)で満塁弾を含む9失点の大炎上。防御率も一気に1・64まで落ち込んでしまった。試合後、「現実を受け止め、糧にできるようにしたい」と語っていたが——。あれから2年。円熟期を迎えた今の菅野ならば、決して不可能な数字ではないはずだ。

 実は昨年、改めて「防御率0点台」への思いを本人に聞いてみたことがあった。さすがに「0点台ねえ…。0点台って未知の領域っすよ。あのね、これは難しい」と苦笑いだったが、一方で涼しい顔を浮かべこうも口にした。「でも、できないとも思わないですよ。不可能とは思わないけど」。。

 投球を極めたいという意識の高さと、一昨年に味わった経験の上積みがあれば“大台”も夢ではないはずだ。今季のエースの活躍を大いに期待したい。

(運動部主任・佐藤 浩一)