最近、SKE48の須田亜香里をテレビで見かける機会が増えている。AKB選抜として歌番組に出演するだけでなく個人でも「痛快TVスカッとジャパン」(フジテレビ系)、「サンデージャポン」(TBS系)などの有名番組に多数出演。今後も30日放送の「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」(TBS)や12月7日放送の「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ)へのゲスト出演が決まっているという。

 須田は今年4月から芸能事務所「ツインプラネット」に所属。ここにきて露出が大幅に増加したのは事務所のバックアップがあることが大きいが、必ずしもそれだけではない。11月からメ〜テレ(名古屋テレビ)制作の朝の情報番組「ドデスカ!」に木曜コメンテーター(隔週)として出演しているが、「ドデスカ!」の清水伸司チーフプロデューサーによると「須田さんを起用するにあたっては、事務所サイドからのプッシュは全くなかったです。こちらから須田さんにお願いしようということで決まったのです」という。

 スタッフによる会議の中で、若い元気な声を視聴者に届けることができるコメンテーターは誰がいいかという話になった時に挙がったのが須田の名前だった。1987年4月にスタートした「おはよう名古屋テレビです」以来、30年以上にわたって続いているメ〜テレ・朝の情報番組でアイドルをコメンテーターとして起用するのはこれが初めて。番組にとっても大きな冒険であったが、これまでのところ須田についての評判は上々だという。

 昨年10月31日の当欄にて、記者は「SKEファンが嘆く“名古屋飛ばし”問題」という記事を書いている。2016年のAKB選抜総選挙で7位にランクインしたにもかかわらず、須田は総選挙曲の次のシングルでは「神7」メンバーとして史上初の選抜落ち。48グループメンバーが出演するドラマでも他の姉妹グループからは多数出演するのに、最初に発表されたキャストの中に須田の名前はなく、SKEからの出演は松井珠理奈だけ。この状況にSKEファンが怒りの声を上げているという内容だった。

 たいへん失礼な話ではあるが、正直この時は「運営からもプッシュされていないし、若手メンバーへの世代交代もある。彼女の露出はこれからますます減っていくんだろうな」と思っていた。だが、1年たって自分がいかに見る目がないかを思い知らされた。須田は今や48グループ内ではHKT・指原莉乃に次ぐテレビ出演数を誇るタレントに。「コメンテーターに起用したのはSKEだからというわけではなく、須田さんだからです」(前出のメ〜テレ・清水プロデューサー)。この言葉からもわかるようにアイドルという看板だけではなく個人の魅力でも多くの人から必要とされる存在へと成長した。

 19日にSKE劇場で行われた自身の生誕祭で須田はこう宣言した。「わたしは1位になりたいです。SKEのシングルで珠理奈さんやゆなな(小畑優奈)のセンターを乗っ取りたいとはあまり思っていなくて…。堂々と抜かすんだったら総選挙だなって思っています」。正直、この話を聞いた時は「松井珠理奈を抜くのは無理だろう」というのが率直な感想であった。だが、それはあくまで見る目がない節穴の自分による未来予想である。SKE劇場の3列目端っこポジションから自らの努力で現在の地位まで這い上がってきた須田亜香里だけに…。

「SKE史上最大の下克上の裏側」。ひょっとすると来年、当欄において、そんな記事が掲載されているかもしれない。

(中京編集部長・宮本泰春)