【デスク発ウラ話】森保監督を“ごり押し”起用した日本サッカー協会の責任

2020年02月10日 12時00分

 サッカー日本代表の森保一監督(51)は兼務する東京五輪代表が低迷し、窮地に追い込まれている。特に1月に東京五輪アジア予選を兼ねたU―23アジア選手権(タイ)では未勝利の上、1次リーグ敗退。屈辱的な負け方にサポーターからは森保監督の解任を求める声が続出した。

 五輪ホスト国として出場権を保持していることもあって日本サッカー協会は更迭しなかったものの、本来なら五輪予選で敗退となれば、指揮官の責任は免れないところ。それだけに、日本代表チームを管轄する技術委員会がテコ入れ策を示さないまま「続投」との方針を出したことにも世間の反発は強まっている。

 五輪まで残り6か月に迫っていることもあって指揮官交代はマイナスになるとの判断があったとみられているが、その本大会で52年ぶりの「メダル」という結果が出せなければ、森保監督の責任問題が再浮上するのは避けられない。つまり兼務するA代表監督を続けるのは難しいと言わざるを得ないだろう。

 そもそも、五輪代表の指揮官に就任した森保監督がA代表を兼任することになったのは、協会側の“ごり押し”だった。

 2022年カタールW杯に向けては、ロシアW杯前まで日本代表監督を選考する立場の技術委員長だった西野朗氏は日本人監督は時期尚早として「次も外国人と考えている」と発言。従来通りの国際経験を重視する方針を明かしたように、森保氏はA代表監督候補に上がっていなかった。

 その流れが大きく変わったのはロシアW杯を控えた4月のこと。日本サッカー協会の田島幸三会長は、成績不振や選手との関係悪化などを理由にバヒド・ハリルホジッチ監督の解任を決め、西野氏を新監督に指名した。西野氏は技術委員長を務めており、チーム事情にも精通し、同じ日本人としてイレブンとの意思疎通が図りやすいとの理由からだった。

 その西野監督が緊急登板にもかかわらず、W杯で2大会ぶりの16強入りを果たすと、サポーターを中心に「次も日本人監督」との声が高まり、カタールW杯に向けて和製指揮官の誕生が待望されるようになった。そこで協会側は3度のJリーグ優勝という実績を残していた森保監督を指名。すでに東京五輪監督に就任していたため、兼任を強行した。

 ただ当時から五輪代表と、A代表の日程が重なるため、指導がおろそかになるという懸念が指摘されるとともに「五輪で負けたら、そのままA代表で指揮を執るのは難しい」という意見が出ていた。実際に、ここまではA代表を優先したため、指導時間が限られる五輪代表は低迷。A代表も昨年12月の東アジアE―1選手権(韓国)で優勝を逃すなど、中途半端な状態にある。

 ふがいない試合内容が続き、森保監督への批判が高まる中、兼務を求めた協会側の責任は重いと言わざる得ない。

(運動部デスク・三浦憲太郎)