【デスク発ウラ話】股間までタッチ!バンコク恐怖の電子たばこ狩り

2020年02月13日 12時00分

 タイ・バンコクでは今、外国人観光客に対するボディーチェックが鬼のように厳しい。世界的に見ても度が過ぎている。

 この年末年始、バンコクで過ごした40代男性は、年越しイベント会場で屈辱的な思いをした。

「入り口の荷物検査が超厳しくて、バッグやポケット、財布の中はもちろん、スタッフに股間まで触られた。目薬やライターのほか、裸(ケースに入れず)で持っていた常備薬の錠剤も没収。股間タッチなんて非常識すぎだから、外国人はみんな怒ってたけど、有無を言わさず抵抗の余地すらないボディーチェックだった」

 風俗街のタニヤやスクンビット、またその中間ポイントでは警察が検問を敷き、タクシー移動の外国人にも容赦ない。昨年、夜遊び途中に引っ掛かった50代男性が振り返る。

「タクシーから降ろされ、警官にアソコも触られた。カバンに入れてたコーラックを怪しまれ、ジェスチャーで便秘薬と分かってもらうのに苦労した。トゥクトゥク(三輪タクシー)も検問で止められてた。職質した相手のカバンに麻薬を入れてぬれぎぬを着せる悪徳警官もいるらしいから、カバンは肌身離さず持ってないと怖いよ」

 警官のお目当ては、IQOSなどの電子たばこ。タイでは持っているだけで最高10年の懲役か罰金なんと50万バーツ(約177万円)なのだ。

 たかをくくり日本と同じ感覚で持ったり吸ったりする日本人は、いいカモ。一部警官の間では、現場を押さえ、罰金を“ディスカウント”して徴収し、ポケットマネーに…というのが半ば慣習化している。政権を握る軍との利権争いで劣勢の警察にとって、こうした小遣い稼ぎや、押収した電子たばこや麻薬の横流しは日常的。にわかに信じ難いが、これがタイの現実だ。

「国際ニュースにならないが、IQOS絡みで警察から大金を巻き上げられた日本人の話は、バンコクやパタヤじゃここ1~2年よく聞く。外で持ち歩かなきゃいいとも限らない。ホテルの喫煙所やコンドミニアムのバルコニーで吸ってるのを、スタッフが警察にチクるなんて噂も聞いた」(前出50代男性)

 地元関係者も衝撃実態を明かす。

「タニヤで夜遊んで、スクンビット方面のホテルにタクシーで帰る日本人が検問で引っ掛かり、電子たばこ所持で捕まりまくってるよ。タクシー運ちゃんたちにも知れわたってる。だからタニヤでタクシーを拾ってスクンビットまでと告げると、運ちゃんは『電子たばこ持ってんなら、検問迂回するよ』と言ってくる。でも迂回を頼むと『じゃあいくら出せ』ってボられるけど」

 警官が持ち掛けてくる罰金の値引き相場は5万バーツ(約18万円)前後。警察署まで連行され最終的に2万バーツ(約7万円)で手を打ち釈放…なんて話もあるにはある。普通のたばこも、禁煙エリアで吸えば5000バーツ(約1万7500円)、道端にポイ捨ては2000バーツ(約7000円)の罰金だが、それと比べても電子たばこの罰金額は、仮に値引きできたとしても破格。警官が躍起になるのも無理はない。

「電子たばこで捕まったら、まずは値引き交渉。ただタイの警官は英語が大体カタコトだから、スマホの計算機を駆使しないと。たとえ成功してもウン万バーツなんて手持ちは普通ないから、近くのATMで引き出すか、友達が一緒ならかき集めてきてもらうしかない。ただ最近は、警官の罰金横領がちょこちょこバレて問題になってるから、今も罰金のディスカウントが通用するかはビミョ~だよ」(地元民)

 現場でゴネたり逆切れしようものなら、悲惨な末路が待っている。

 プーケットで1年ほど前、電子たばこ所持を見つかったフランス人女性(当時31)は、4万バーツ(約14万円)まで安くなった罰金の支払いを拒否し逮捕、起訴。10万バーツ(約35万円)で保釈され、有罪判決が下り、科された罰金は800バーツ(約2800円)ちょっとだったが、訴訟や帰国費用などで約100万円かかってしまったとか。

 電子たばこ禁止の国や地域は、近場の人気渡航先だと台湾、香港、シンガポールもそうだが、日本人を目の敵にしているタイには、とにかく持っていかないのが賢明だ。

(文化部デスク・醍醐竜一)