11月からスタートする「嵐」の5大ドームツアーが転売の嵐となっている。嵐人気に便乗し、儲けようというやからがいるためだが、そのせいで真のファンが迷惑をこうむっている。

 動員100万人近いツアーだが、すでにチケキャン、ヤフオク、さらにはツイッターなどのSNSには、約10万枚ものチケットが転売されようとしている。しかも、転売者は「定価不可」とか「70万円」というバカげた値段を要求している。

 そもそも今回の嵐のコンサートは転売されないように電子チケットになり、転売されたチケットは使用不可能だという。コンサートの主催者としては正規の値段で、本当のファンにチケットを買って見てもらいたいもの。しかし、転売で荒稼ぎしたいヤツらが数十倍の値段で転売し、どうしても見たいファンは泣く泣くその高値で買い取る。主催者のせいで悪人が暴利をむさぼるだけという状況だ。それを打開する手段が、電子チケットだったはずだ。

 ネット事情通は「電子チケットはQRコードで、入場時にスキャンされます。転売されたものだと、はじかれる仕組みになっているんです。しかし、いくらでも抜け穴があるんですよ。だから、転売が成り立ってしまっている」と語る。

 さらにチケキャンやヤフオクという、転売者と購入者の間に業者が入っているものならまだしも、ツイッターでは転売者と購入者が直接やりとりをすることになる。

 前出の事情通は「SNSでのチケット転売の書き込みのほとんどが詐欺ですよ。チケットを持ってもいないのに転売を装い、金だけ取って、チケットは送ってこないという犯罪。この手のやり口で、何人も逮捕されています。また、女子中高生がトラブルに巻き込まれています。転売者が『他の女の子がどうしてもチケットが欲しいということで、裸の画像を送ってくるんです。あなたに譲ろうかどうしようか迷ってる』と切り出してくる。それで、裸の写真を送るが、チケットは送られず。もちろん、チケットなんか持っていないロリコン犯罪者です」と指摘する。

 ファンが困惑させられるのはチケット転売で荒稼ぎする“転売ヤー”(転売とバイヤーの合成語)だけでない。ジャニーズ事務所にも振り回される。嵐のみならずジャニーズのコンサートはあまりの人気で、チケットに応募してもなかなか当選しない。ところが、まれに復活当選というものがあるという。

 あるジャニーズファンは「転売チケットで入場しようとした人がバレて入場禁止になると、空いた席がキャンセル待ちになり、チケット応募で落選した人に対し、電話連絡があるんです。それが1日前ならまだしも、開演1時間前というケースもあるんですよ」と言う。

 ただでさえ希少なチケットは転売ヤーと、全ての会場を回りたいとして複数の名義で何口もチケット応募する熱狂的なファンのせいでプラチナ化。真のファンは詐欺師やロリコンにだまされ、1時間前の復活当選というムチャに振り回されてしまう。

(文化部デスク・三浦伸司)