【デスク発ウラ話】幻の広島監督候補

2019年10月21日 12時00分

 セ・リーグ4連覇を逃した広島はチームを5年指揮した緒方孝市監督が退任し、佐々岡真司投手コーチが新監督に就任。覇権奪回へ、すでに秋季練習がスタートしている。

 佐々岡氏に白羽の矢が立った理由はいくつかあるが、松田オーナーが一番に挙げたのは「人柄」だ。エースを張るような投手は良くも悪くも“お山の大将”的な我が強いタイプが多い。ただ新監督はもの静かで、現役時代を共にしたOBたちが「怒った姿を見たことがない」と口を揃えるような人物だ。指揮官としての采配に関しては全く未知数だが、高く買われたのは誰からも好かれる人間性。チーム内にも「佐々岡さんで良かった」と歓迎する声は多い。

 緒方監督の退任から、わずか3日後に監督就任を要請されたことから察するに、球団上層部では早々に「佐々岡しかいない」となったのだろう。ただ松田オーナーの頭にはもう一人、大胆な“対抗馬”が浮かんでいた。佐々岡新監督の就任が発表される直前のこと。総帥は「ワシは“コクボ”がいいと思うんだ」と口にしていたのだ。

 コクボ? 前回WBCで侍ジャパンを率いた、あの小久保氏か!? でもカープと何か縁があったっけ? 意外な大物球界OBの名前が飛び出して困惑したのは記者の早とちり。オーナーの言う「コクボ」とは、現役バリバリの小窪哲也内野手(34)のことだった。

 松田オーナーは小窪について「人柄がいい。リーダーシップもある」と大絶賛。熱く語る目は真剣そのものだ。ただ最後は「さすがにまだ(ユニホームを)脱がすのはかわいそうよな」と笑ったので、こちらは内心ホッとした。

 勝負強い打撃と内野をマルチに守れる小窪は戦力としてだけではなく、野手と投手、ベテランと若手の心をつなぐことができる貴重な選手。過渡期のチームにはまだ欠かせない。記者の取材にも快く応じてくれるナイスガイだが、それでも“監督候補”と聞いてしまうと…。今後は接し方を考えないといけないかな。

(運動部主任・堀江祥天)