【デスク発ウラ話】お土産で分かる友達との距離

2019年10月10日 12時00分

 アジア旅行のたび、ちょっと面倒くさいのが、現地で会う海外の友人たちにあげるお土産だ。前回の旅で会ってもらったとか、家に泊めてもらうなど何か理由がない限り基本、仲が良い友達にはあげない。手土産の有無とか細かいことは気にしないのが真の友達だと、勝手に解釈しているから。

 大昔、友達に聖闘士星矢の巨大フィギュアを頼まれ、台北まで持っていったことがあるが、今はもうそんな大それた注文をする友達もいない。自分が年長者だから、ひょっとしてみんな遠慮しているのかもしれないが、LCCに乗り、安宿に泊まるバックパッカーの私にとって、土産で荷物がかさばらないのはいい。

「北海道で食べた味が忘れられないから、ロイズのチョコ買ってきて」と頼んできたのは、タイの若手シェフ。「家族の分もお願い」と10個近く買ったこのときが、一番の大荷物だった。ただ成田空港には、いつも利用するLCC「スクート」の搭乗ゲート近くにロイズの店があるから便利。

 ソウルの焼き肉店店主が毎回リクエストする日本土産は、コンタクトレンズ用目薬。なんでも韓国にはあまり売っていないらしい。韓国や中国の上のほうなど、湿気がそんなになく、目が乾く地域でコンタクトを使っている友達には、結構喜ばれることが分かった。安いものなら200円前後で買える。100ミリリットル以下の液体物だから、何個か買ってもジップロックに入れて手荷物で運べるし、機内預け荷物の超過料金もかからず済む。

 中国・内モンゴル自治区の友達が、ネットか何かで見て興味を持ったらしく「たくさん買ってきて」とねだられたのは、手拭い。いかにも日本のお土産ならではで、これが最強だ。何せ、かさばらないし、安い。店だと1000円前後するが、フリマアプリならいかにも日本ぽい柄の新品が300円ぐらいから買える。使ってみると、これまた便利で、台湾や東南アジアなど暑い地域の友達には好評。

 逆に自分からお土産をリクエストしたことは一度もない。ただ何だかんだいって、サプライズでもらうお土産は、やっぱりうれしいものだ。

 7月末にウチに泊まったソウルの大学生は、なんと手ぶら。初めての海外旅行だったとはいえ、あまりの世間知らずぶりにちょっとショックだった。

 同じ韓国人でも、親友のCは以前、お母さんの手作りキムチ数種類をわざわざタッパ詰めで大量に持ってきてくれて、感動した。7月半ばに泊まりに来たKがくれたのは、ノドにいいオーストラリア製のプロポリススプレー。ガラスの小瓶入りで、値段をチェックしたら3000円以上するではないか。実用的でセンスがいい。

 9月に台湾中部・台中から来てウチに2泊したYの置き土産は、ネジを巻くと裸の男女が腰を振るプラスチック製の小さいオモチャ。アダルトショップに寄ったとき買ったらしく、パッケージには350円の値段シールが。「パイナップルケーキ(台湾の名産)とか太陽餅(台中の名産)じゃねえのかよ!」とつい文句を言ってしまったが、いつもジョークばかり言って存在自体が面白いYらしいチョイスだ。

 先日、中国・北京から東京に来たTは、ムエタイボクサーのイラストと変な日本語がプリントされたタンクトップをくれた。バンコクの屋台で買ったらしいが、正直、日本で着るのはかなり恥ずかしい。その前に来日したときくれたのは、〝パンダ天国〟四川省・成都で買ってきたパンダのぬいぐるみだった。

 シンガポールの仲良しグループは旅先で再会するたび、こじゃれた地元のお菓子や紅茶をくれる。ただ、いかに小さい荷物で旅行するかに命をかけている私にとっては、箱がかさばるのがいつも難点。

 とはいえ、ハッキリ言ってこういう〝いらないお土産〟をくれる友達ほど、距離が近い気がする。

(文化部デスク・醍醐竜一)