夏の甲子園取材スタイルに何か問題でも?

2017年08月07日 16時18分

 久しぶりに戸惑った。つい先日、大阪市営地下鉄の御堂筋線に乗っていた時のこと。隣のシートに座った推定年齢4〜5歳ぐらいの男の子に突然話しかけられた。

 

「○×△!」

 

 何を言っているのか、サッパリ理解できない。どうやら中国語のようだ。しかしよくよく聞いてみると、どうやら私が首元に巻いていたタオルが気になっていたらしい。

 

 ちなみに現在、夏の甲子園を取材するため長期で関西出張中。酷暑によって滴り落ち続ける汗を少しでも吸い上げようと首元にタオルを巻くスタイルは高校野球取材の鉄則みたいなものだ。その中国人らしき男の子が指をさしながら、あまりにもワーワーと叫んでいたので「もしかしてこのタオル、ニオうのか…」と思ったが、それとなくクンクンしても人様ににらまれるほどの“問題”はなさそうだった。

 

 さて、何だろう。不思議そうな顔でその男の子を見つめながら様子をうかがっていると、だんだんと別の意味があることが分かってきた。どうもスカーフを巻いたヒーローと思い込んでいたようなのである。

 

「ねえねえ、変身してみてよ。こんなふうにさ!」

 

 そういう言葉を実際に発していたかどうかまでは定かじゃないが、その男の子は何やら早口でまくしたてながら席を立って私の前で実際に変身ポーズまで取っていた。

 

 ここまで、大体7〜8分は経過しただろうか。周りにいたお客さんは、困り果てる私を見ながらクスクスと笑い始めていた。一方の男の子は「よくもまあ、こんなにしゃべることがあるよな」と思えるぐらいにマシンガントークを繰り広げている。もしかしたら中国で放映中のヒーローについて延々と「こんなにカッコいいんだぜ」というノリで話していたのかもしれない。周囲から見れば、これは確かに滑稽な光景だろう。

 

 そして心斎橋駅に着く直前、その男の子が突然「マーマ!」と叫んだ。まったく気付かなかったが、すぐそばにお母さんがいたのである。他の人の陰からスーッと出てきたお母さんは表情も変えず私に「謝謝(ありがとう)」とだけ言うと、男の子の手を引いて心斎橋駅で降りて行ってしまった。キョトンとしながら頭の中では「?」の文字が乱立するばかり。恥ずかしながら、まったくもって意味が分からなかった。

 

 昨今、日本の各地では中国からの観光客が激増中。2020年の東京五輪に向け、その数はこれからもどんどん増えていくだろう。少し中国語を勉強してみようかな——と思いつつある今日このごろである。

 

(運動部デスク・三島俊夫)