「政界の駆け込み寺」二階派の寛容精神の原点は?

2019年03月07日 12時00分

 自民党の二階派(志帥会)が騒がしい。所属の田畑毅衆院議員が知人女性への暴行・盗撮疑惑で議員辞職に追い込まれた。女性スキャンダルでの辞職は2016年の宮崎謙介氏の“ゲス不倫”以来。宮崎氏もまた二階派だった。

「永田町のたけし軍団」と東国原英夫氏が評した二階派のお騒がせを振り返れば、西川公也元農水相は違法献金問題で辞任、今村雅弘元復興相は「まだ東北で良かった」発言で辞任。鶴保庸介元沖縄・北方担当相はスピード違反、中川郁子元衆院議員と門博文衆院議員は同じ派閥同士で、ダブル不倫路チューがバレた。

 最近では片山さつき地方創生相の相次ぐ政治資金収支報告書の訂正、桜田義孝五輪相の珍答弁、福井照元沖縄・北方担当相も美人官僚との不倫疑惑…と盛りだくさんだ。

「来る者拒まず」のスタンスで、スネに相当大きな傷があっても受け入れる。さらに人数が膨れ上がったことで、大臣ポストが回ってきやすく、ベテラン議員も門を叩く。二階俊博幹事長の懐の深さといわれるが、志帥会で脈々と受け継がれてきたとも。志帥会はもともと旧中曽根派と亀井静香元建設相のグループが合流して、誕生した。発足当初から実質、仕切っていたのは亀井氏で、「清濁併せのむ」精神の持ち主で有名だった。

 亀井氏が郵政選挙で自民党を割り、国民新党を結党した際には、ペルー当局から訴追され、自宅軟禁下のアルベルト・フジモリ元大統領や公職選挙法違反の連座制が適用されていた「フサイチ」の冠名で知られる馬主で実業家の関口房朗氏などワケあり候補を並び立て、驚嘆させたものだった。

 亀井氏の後、志帥会会長となった伊吹文明元衆院議長もスキャンダルまみれの議員の入会を許せば、独自擁立した複数の候補者は黒い噂を週刊誌に書き立てられ、法廷闘争になったこともあった。

 そんな寛容な志帥会のマインドはこんなところにも現れる。タカ派で知られた亀井氏だが「死刑廃止を推進する議員連盟」の会長を長年務めていた。亀井氏の政界引退とともに議連は活動休止に陥っていたが、昨年末に「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」と衣替えして、復活。二階派の河村建夫元官房長官が会長、二階氏が後ろ盾ともいえる特別顧問に就任し、志帥会の持つ“人権派”の一面を見せた。

 民主党のホープで“元祖不倫路チュー”の細野豪志衆院議員の二階派への入会は党内で大反発を招いたが、志帥会の精神からすれば、どこ吹く風。今後も「政界の駆け込み寺」での騒ぎは続きそうだ。

(文化部デスク・小林宏隆)