パートワーク最新事情

2017年08月17日 12時00分

 模型のパーツやDVD、CDなど、魅力的な付録がセットになった週刊(または隔週刊)の雑誌が、どこの書店でもたいてい平積みになっている。いわゆる「パートワーク(分冊出版)」という出版形態で、創刊号から最終号まで揃えると大型の模型や、さまざまなコレクションが完成するというものだ。

 

 今では小学館や集英社、講談社などの大手出版社もこのジャンルに参入しているが、その先駆けであり最もメジャーなのは、1990年代の後半から現在まで、次から次へとコレクター心を刺激するシリーズを出版し続けている「デアゴスティーニ・ジャパン」だろう。

 

 このパートワークというスタイル、たいていの場合が創刊号だけ特別価格として非常に安い値段になっていて、ついつい買ってしまうという人も多いはず。ところが第2号以降はとたんに高くなるし、完結まで数十号、ときには数百号というボリュームにめげて、早々に挫折してしまいがちだ。

 

 そもそも、それだけ続く商品を各出版社が新たに出し続けていたら、たちまち書店のスペースは埋まってしまう。実際に数号で店頭に並ばなくなるシリーズも結構ある。最後まで買い続けることは可能なのか? そんな疑問を解決するべく、以前デアゴスティーニ・ジャパンに取材したことがあった。

 

 そのときの回答は、ごくまれに予定より早く販売打ち切りになってしまうものもあるが、基本的には店頭に置かなくなっても、続きは定期購読(通信販売)の形で最後まで刊行するものがほとんどだとのことだった。

 

 さて、そのデアゴスティーニ・ジャパンが8月29日にちょっとすごい新シリーズを創刊するということで話題になっている。「隔週刊 ザ・ビートルズ・LPレコード・コレクション」だ。ここ数年で過熱しているアナログレコード人気を反映してか、CDではなくLP盤でザ・ビートルズのアルバムを復刻するというもので、全23タイトルが予定されている。

 

 まあ、雑誌といっても当然、主役はLPレコードなのだが、毎号付いてくる冊子には作品の解説やレコーディング裏話が満載なので、これも全巻揃ったら立派なザ・ビートルズ百科事典になりそうだ。

 

 創刊号としてピックアップされたのは、人気の高い「アビイ・ロード」。ちなみにこのシリーズも例にもれず、創刊号だけ1990円と安い。2号目以降は2980円だ(2枚組や3枚組の場合はもっと高くなる)。当然、創刊号は特に売れるだろうが、9月12日発売の第2号は、あの名盤「サージェント・ペパーズ——」だそうな。今回は最後まで“完走”する人もけっこう多いかも?

 

(文化部デスク・井上達也)