「リトルカトマンズ」化する新大久保 その裏側を探る

2016年10月20日 12時00分

 東京・新大久保といえば、韓国料理店、韓国スーパー、韓国アイドルグッズなどの店が立ち並ぶ“コリアンタウン”として有名だが、ここ1、2年で“リトルカトマンズ”としても知られるようになった。

 JR新大久保駅を背にして、右側がコリアンタウン。左側がネパール料理店が20店以上点在するリトルカトマンズとなってきている。

 新宿区の外国人登録者数国籍別一覧表によると、2003年10月にはネパール人は76人(国別19位)しか登録がなかった。

 近年のネパールは政情不安による経済の低迷で、国内での就職先がなく、日本への留学や出稼ぎに未来を見いだそうとした若者が多かった。

 ネパール料理店店員は「新大久保がここまで大きなコリアンタウンになる前から、インド料理店は多くて、そのオーナーも料理人もほとんどがネパール人だった。隣国インドで料理修業して、日本で開店していたんです。ネパール料理は激辛すぎるので、日本人の口には合わないと思って、カレー好きな日本人客を狙ってインド料理店を出してたんです」と語る。

 また、新大久保には多くの日本語学校、外国人向けの大学受験予備校があるが、2011年の東日本大震災による原発事故で中国人、韓国人生徒数が激減した。そこで各学校が他国の留学生を招くことに力を入れ、ネパール人が増えるようになったようだ。

 今年10月1日時点では3305人(国別4位)のネパール人が新宿区、特に新大久保地域に住んでいる。

「新大久保にネパール人が増え、ネパール人のために現地と同じ味のネパール料理店を出しても儲かるということで店が増えたら、日本人にも受けた。それでますます増えていったんです」(前出のネパール料理店店員)

 韓国料理、タイ料理、上海や四川などの激辛中華料理を味わってきた日本人にとって、次なる激辛エスニック料理を探す中、激辛のネパール料理がはまったわけだ。

 現在、新大久保ではインド料理店や韓国グッズ店に代わって、ネパール料理店が新規開店し続けている。

 ちなみに今年10月1日時点での新宿区の外国人数3位はベトナム人で3435人(2003年には58人=国別23位)。ネパール人より人数も増加率も多いが、ベトナム料理店は新大久保でそれほど目立たない。

 ベトナム人は「前から新大久保のタイ料理店で、辛くないメニューとしてベトナム料理は出されていたし、タイ・ベトナム料理店としてセットで根づいている。フォーやパクチー、ニョクマムとかのベトナム食材もスーパーで手に入るから自炊できる。それで満足しているんじゃないですか」と言う。

(文化部デスク・三浦伸司)