J2横浜FCの元日本代表エース、キング・カズことFW三浦知良が19日の岐阜戦で今季初ゴールを決めた。49歳3か月24日でのゴールは、もちろんJリーグ最年長記録で健在ぶりをアピール。本紙でもヴェルディ川崎(現J2東京V)時代に2トップを組んだ元日本代表FW武田修宏氏(48)に話を聞いて「55歳までやれる」などと快挙を詳報した。

 そんなカズの活躍が紙面になった20日の夜のこと。武田氏から電話があった。「カズさんから連絡があったぞ。“良く言ってくれてありがとう”だって。オレは東スポにしか、カズさんに関する取材を受けていないからその記事を読んだみたいだな。それにしても、わざわざ連絡をくれるなんて…律儀だよな」

 サッカー界のレジェンドとして、その活躍は好意的に受け取られている一方、アンチも多い。すでに10年以上前から一部サポーターから「早く引退しろ」などと罵詈雑言を浴びることもあるという。さらに「試合中に相手選手から“まだ選手やってんのか。おっさん、辞めちまえよ”と言われたこともある」(カズ)そうだ。

 そんな中、紙面を通じて旧友からの「まだやれるよ。だって試合に出れば、ゴールを取るんだから。FWは結果が全てだからね」という言葉は励みになっただろうし、素直にうれしかったのかもしれない。

 今から11年前、カズがシドニーFC(オーストラリア)にレンタル移籍した際、密着取材した。当時38歳。チーム最年長の大ベテランながら、切れ味鋭い動きを見せ「あと2、3年。少なくとも40歳までは現役でやれるだろうな」と勝手に想像していたが、まさか49歳までプレーするとは思わなかった。

 これまでカズについては「いつ現役を辞めるのか」ばかりに注視してきた。軽い負傷でも、その動向を気にするなど“有事”に備えていた。しかし、これからは「いつまで選手を続けられるか」に注目し、スター選手を追い続けたい。

(運動部デスク・三浦憲太郎)