男子だけではない…女子も!「浦和」と名が付くチームの不思議な魅力

2014年12月01日 12時00分

 サッカーのなでしこリーグ、今年は浦和レッズレディースが5年ぶりの優勝を飾った。

 8月中旬まで行われたレギュラーシリーズは最終節まで首位をキープしていながら、最後にINAC神戸に負けて3位。上位6チームによる「エキサイティングシリーズ」も最終節で新潟に負けたが、得失点差で2位の日テレを上回って優勝というのだから、なんともハラハラさせてくれるチームだ。

「浦和」というチームはこういう“DNA”を持ったチームなのかもしれない。

 思い出してみれば、兄貴分のJ1浦和が2006年第2ステージで初優勝を飾った時も、ホームの駒場スタジアムで名古屋に負けたにもかかわらず、他会場の結果で優勝が決まった。

「世紀の大逆転」でV逸した2007年も、直後の「TOYOTA クラブW杯」でアジア勢最高となる3位に入り、サポーターを喜ばせた。

 タイトルを逃すときは衝撃的な展開。でもその後には、ショックをすべて忘れさせてくれるような喜びを提供してくれる。浦和のサポーターはジェットコースターに乗っているような気分だろう。

 衝撃的V逸ということでは“妹分”も負けてはいない。06年12月29日に行われた全日本女子サッカー選手権(現皇后杯)準決勝。この日は天皇杯準決勝で浦和が鹿島と対戦するとあって「アベック決勝進出」という期待がかけられていた。浦和のスタッフたちも落ち着かない様子で、男子より先に始まる女子の結果を気にしていた。元日の忙しさを想定している幹部やスタッフばかりだった。

 だが、レディースはPK戦の末にTASAKIに敗れた。勝負事だから仕方ないが、試合内容を現地のスタッフから聞いた幹部はその内容にがく然としていた。

「GKじゃないGKに3本止められて負けた」

 この言葉だけ聞いても、何のことだかさっぱりわからなかった。後で詳しく聞くと、TASAKIのGKがあまりPK戦を得意としていなかったため、FWだった選手が急きょPK戦のGKを務め、浦和のシュートを3本連続で止めたのだという。それは浦和のスタッフのショックも大きかったはずだ。

 そう、実はこの“代打GK”こそ、なでしこジャパンの中心選手として今も活躍中のMF阪口夢穂(27=日テレ)だ。当時は、この大会の直前にカタールで行われていたアジア大会で1試合5得点という派手な活躍を見せ、女子サッカー界では「天才少女」と騒がれ始めていた時だった。

 なでしこジャパンが2011年ドイツW杯で優勝した後、浦和の関係者が「あのPK負けの時はやり場のない怒りみたいなものがあったけど、今思えば阪口さんの伝説を間近で見たわけで、女子サッカーの発展という意味では貴重な出来事だったのかも」と妙に納得していたのが印象的だった。

 浦和レディースはFW安藤梢(32=フランクフルト)やDF熊谷紗希(24=リヨン)といったなでしこのスターを輩出。現在はMF猶本光(20)ら次世代を担う選手も多い。

 だが一方で、スリリングな試合展開が相手チームや選手のドラマも演出し、時には別のスターを生み出す。やはり「浦和」と名が付くチームは男子同様、不思議な魅力を持っている。

(運動部デスク・瀬谷宏)