サッカー選手の価値を測るバロメーターのひとつが移籍金だ。

 キング・カズこと元日本代表FW三浦知良(46=J2横浜FC)がかつて「選手の価値を判断するのは最終的には金になる」と話していたように、サッカー界では年俸や移籍金から選手の実力も判断されることは珍しくない。

 現在開催されているコンフェデレーションズカップで優勝候補のブラジル代表には莫大なカネが動いた。

 サントス(ブラジル)からバルセロナ(スペイン)に移籍したFWネイマール(21)が5800万ユーロ(約75億4000万円)。ポルト(ポルトガル)からゼニト(ロシア)に移ったFWフッキ(26)は5000万ユーロ(約65億円)。インテルナシオナル(ブラジル)からチェルシー(イングランド)に移籍したFWオスカル(21)は2500万ポンド(約37億5000万円)といずれも高額な移籍金が発生した。

 日本ではFW香川真司(24)がドルトムント(ドイツ)から移籍金1600万ユーロ(約20億円)でマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に移ったが、ブラジルのトップ選手には遠く及ばない。

 移籍金だけで選手を評価すれば、ネイマールは香川の3倍以上の価値があるとも言える。1人で香川3人分となれば強大な戦力だ。

 日本は初戦ブラジル戦で完敗し「どうやって世界との差を埋めるか」という議論も噴出していたが、香川とネイマールの移籍金の差額4200万ユーロ(約54億円)を埋めることから始めないといけない。

 今後どれだけ価値のある選手を作り出せるか。現在のザックジャパンだけではなく、日本サッカー界が総力を挙げていかないと簡単には追いつけない。

(運動部デスク・三浦憲太郎)