本田圭佑が「メキシコ移籍」した意味

2017年07月24日 12時00分

 サッカー日本代表FW本田圭佑(31)がメキシコ1部のパチューカに移籍した。昨季でイタリア1部ACミランを退団後、欧州リーグ残留を最優先としながらも、北中米の国に移籍。その理由について「無難な選択をしようとしていた自分に腹が立っていたんです」と説明していた。

 これまで日本人選手があまりプレーしていないリーグで認知度は決して高くない。ただ北中米では屈指の高レベルを誇り、ブラジルやアルゼンチンなど各国代表選手が参戦。観客動員も多く、財政面でも豊かとあって世界からの注目も高まっている。31歳の本田が再スタートするには最適な舞台と言えるだろう。

 ただ、地元メディアによると、本田とパチューカの契約は、推定年俸400万ドル(約4億4000万円)と高額ながら、その期間は異例のわずか1年(オプション1年付き)という。つまり本田にとってメキシコは言わば“腰掛け”ともいえるもので、ロシアW杯後、来年の夏には再び移籍する可能性が非常に高いわけだ。

 逆の見方をすると、1年後の移籍を見据えてパチューカに入団したとも言えるわけだが、なぜメキシコだったのか。

 地元紙によると、本田は昨年夏にバルセロナに売り込みをかけて断られていたように、かねてスペイン移籍も視野に入れている。実際、7月上旬にも本田サイドがスペイン1部リーグへの移籍をもくろみ、売り込みを受けた中堅クラブが本格調査を開始したとの情報が浮上していた。ただ昨季ミランでの出場機会がほぼなかったために、獲得は見送られた模様だ。

 そこで同じスペイン語圏であるメキシコで実績をつくることにしたのではないだろうか。リーグのレベルも高く、本田が完全復活を果たすための“足慣らし”には最適な場所だろう。しかもスペインに移籍するメキシコ選手も多いため、常に同国では注目のリーグで、本田が来夏の移籍実現に向けアピールするには絶好の舞台というわけだ。

 一方で、別の見解もある。かねて参戦がささやかれる米メジャーリーグサッカー(MLS)にはメキシコから多くの選手が加入している。本田もサラリーキャップ枠外の選手としてMLSクラブと好条件で契約するための実績づくりと知名度アップを図っているとの見方も出ている。

 欧州では5大リーグのクラブに移籍するためにあえて、同じ言語や文化圏の国でアピールする手法は決して珍しくない。あくまで推測の域を出ないものの、早くも来夏の動きに注視する必要もありそうだ。

(運動部デスク・三浦憲太郎)