【デスク発ウラ話】令和ついでに変えてほしかったこと

2019年05月30日 12時00分

「令和の新しい時代におめでとう」「Happy New Era令和」——。改元早々の5月1日未明、台湾やマレーシアの友人からお祝いLINEが来た。

 年の初めや誕生日も含め、こうした大きな節目は何か新しいことを始めたり、気持ちを新たにする絶好の機会だろう。正直、おめでたいのかピンとこない自分でさえ、たばこからIQOSに切り替えられたし。

 運転免許証も、これまでの元号に加え西暦の併記に。3月の東京を皮切りに、改元のタイミングで各道府県も順次移行している。ただこれ、有効期限のとこだけ。

 個人的には、生年月日も西暦表記か併記にしてほしかった。ついでに言えば、氏名もローマ字との併記にしてほしかった。なぜなら、日本の元号なんてまず知られていない外国では、今の免許証は身分証明書の役割を全く果たしてくれないから。

 海外では、顔写真付きIDの提示を求められることがままある。コンビニで酒を買うときや夜遊びでバーやクラブ、イベント会場などに入るときなどだ。そうしたチェックが厳格な場所では、ひと目で成人と分かる風体でも、ID不携帯だと酒を売ってもらえないし、中に入れてもらえない。

 海外で通用する唯一のIDがパスポート。IDチェックはパスポートのコピーやスマホで撮った写真でもOKという場合もあるが、そこは先方の裁量次第だ。団体行動していて、友達の一人がパスポート(やコピー)を忘れてホテルまで取りに帰った、また、みんな泣く泣く夜遊びを諦めた、なんて失敗談もたまに聞く。

 どこの国から来た誰というのを証明してくれるから、パスポートは渡航先で常に携帯すべきという理屈は分かる。実際、現地警察の検問や職質に引っ掛かり、パスポート不携帯で面倒なことになるケースも、あるにはあるようだ。

 ただ普通に旅行していたら、そんなトラブルに巻き込まれることはまずないだろう。私の場合、もう何十回と海外旅行しているが、そうした経験は皆無。それより怖いのは、パスポートを常に持ち歩き、うっかり落としたり、かばんごとどこかに置き忘れたり、盗まれたり、すられたりするリスクだ。

 改めて自分の免許証を見ると「日本」「JAPAN」という表記がない。これでは、漢字を知らない外国人が見たら「どこかの国の何かのID」ぐらいにしか認識できないだろう。名前や国籍こそ漢字表記だが、生年月日は西暦表記で、各項目の英語表記も付いている中国の免許証のほうがよっぽど進んでる。

 免許証以上に普段“出番”が少ない、顔写真付きマイナンバー(個人番号)カードもそう。免許証と違って余白がいっぱいあるのに、生年月日は西暦表記じゃないし、英語表記は一切ない。点字やICチップ、QRコードは付いてるのに…。

 こうした公文書をつくる国のお偉方は、海外へ行って夜遊びしても“顔パス”だから不便を感じたことがないのか? とにかく、元号を変えて国民を「令和」「令和」と浮かれさせるのはいいが、日本をガラパゴス化するのはほどほどにしてほしい。

(文化部デスク・醍醐竜一)