アメリカ人がエレベーターで「閉」ボタンを押さないホントのワケ

2017年02月20日 12時00分

 メジャーリーグ取材で何度かアメリカを訪れているが、そこで個人的に気になってしまった“どうでもいい話”を書かせていただこうと思う。

 日本ではエレベーターに乗ると「閉ボタン」を押すが、アメリカ人は押さない。そこには日米の国民性の違いがある——。この“外国あるある”は、海外生活経験者がブログなどでよく書いているから、ご存じの方も多いだろう。

 自身が急いでいる、もしくは多くの急いでいる人のため「時間短縮」の意味合いで押す、というせっかちな気質の日本人に対し、アメリカ人には心に余裕があるから押さない…内容的にはそんなニュアンスが多かったと思う。中には「アメリカは『閉ボタン』がついていても機能していないから押しても無意味。だからアメリカ人は押さない」という内容もあった。

 しかし、この説に私は懐疑的だ。先日、ヤンキースのキャンプ地・フロリダ州タンパの球場「GMSフィールド」のエレベーターをサンプルに、完全に開いた状態から閉まる動作が始まるまでの時間を測定した。すると、放置した状態からだとおよそ6秒11かかったのに対し、閉ボタンを押すと4秒01。実に2秒以上の差があった。これで考えれば「機能しない」ということはないだろう。

 しかし、あくまでも私が見聞きする限り、早く閉めたがる人はアメリカにもたくさんいる。待ちきれずに閉めようとする人を多く見たからに他ならないのだが、興味深かったのはその“方法”だ。閉ボタンを押さず、自分が行きたいフロアのボタンを連打して早く閉めようと試みる人が実に多いのである。

 閉ボタンが存在している以上、フロアのボタンに閉まる機能は搭載されていないはずだ。しかし、アメリカ人はなぜか「閉ボタン」を押さない。3階なら「3」、19階なら「19」のボタンを連打して閉めようとするのだ。

 一体なぜなのか。複数の人に聞いたところ「そもそもアメリカ人は『閉ボタン』が何のボタンか分かっていない」という説に行き着いた。開閉を示す記号が何を意味しているのかが分かっていないから押さない。押して誤作動でも起こされたりしたら嫌だから押そうともしないというのだ。

 我々は「閉」などの文字が記されていなくとも、三角形の向きなどで、開閉を意味することを理解したと思うが、アメリカでは知っている人がほとんどいないから、実践する人もいない。結果、誰も押さない——ということらしいのだが…。どうでもいいっちゃ、どうでもいい話ではあるが、もし“新説”などがあれば、追記しようと思う。

(運動部主任・佐藤浩一)