攻めの高倉新監督に期待される“なでしこ改革”

2016年11月21日 13時31分

 本紙11月19日付紙面で掲載されたなでしこジャパン監督、高倉麻子さん(48)のインタビュー取材に同行した。かつて美人選手と言われた“威光”はまったく失われていなかったし、普段グラウンドで見せる真剣な表情とは違い、笑顔で対応してくれた。

 女性初の代表指揮官になった高倉監督だが、相当なプレッシャーを受けているのは間違いないだろう。リオデジャネイロ五輪出場を逃したチーム再建を託されたことに加えて、3年後のフランスW杯では上位進出が期待されており、4年後の東京五輪ではメダル獲得が至上命令となるからだ。

 しかも、代表監督に就任後、若手選手を優先起用し、ここまで3戦未勝利。2011年ドイツW杯で世界女王、12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得したなでしこジャパンとしては明らかに物足りない成績だ。A代表では親善試合といえども常に勝利が求められているだけに、そろそろ批判が出かねない状況だろう。

 これまでの主力選手を選べば、ある程度の結果は得られるはず。しかし目先の勝利を優先してしまえば、なでしこ改革は進まない。新監督も「そこは難しいところ」ともどかしい様子で話していたが、周囲の声に流されず、世代交代を実現し、ニューなでしこをつくり上げるためにも、このまま“攻めの姿勢”で臨んでほしい。

 余談になるが、高倉監督は1990年代に日テレ・ベレーザに所属していたスター選手。日本代表のエースでサッカー女子が五輪競技になった96年アトランタ五輪にも出場した。世界ナンバーワンになった元日本代表MF澤穂希さん(38)の才能をいち早く見いだし、10代から公私ともにサポートしていた。

 記者がヴェルディ川崎(現J2東京V)を担当していた90年代、同じ敷地内で練習していた高倉監督の姿をよくみかけた。サッカー選手としては、負けず嫌いのストライカー。グラウンドではチームメートにも自分にも厳しかった一方で、グラウンドを離れれば、フロント陣からも、オシャレで美人と評判のお姉さんだった。

 クラブハウスに来るときは、まるで雑誌に出ているモデルさんのようなファッションに身を包んで、外国製(べスパ?)と思われるハイカラなバイクで出勤。ラフなスタイルの女子選手が多い中で異質の存在感を放っていた。きっと苦境に立つなでしこジャパンでも新たな道を切り開いて、高倉流の新スタイルを披露してくれるはずだ。

(運動部デスク・三浦憲太郎)