経済関連の記事を担当するようになってから、もう何年もたつ。なので、1回ぐらいはこのコラムで株価をテーマに書いてみようかと思う。別に硬い話ではなく与太話の類なのでご心配なく。

 皆さん、ご存じだと思うが、株価の指標として最も一般的に用いられているのが「日経平均株価」だ。東証一部に上場している銘柄の中から225銘柄を選んで、その平均株価を算出したもので、他の多くの銘柄がこの日経平均の動きに連動する傾向がある。

 仕事柄、毎日その値動きはこまめにチェックしているのだが、ここしばらくの間に、あることに気づいた。それが日経平均株価と任天堂の株価の関係だ。

 例の「ポケモンGO」が7月22日に日本で配信開始となり、その直前の7月19日には任天堂の株価は年初来高値を記録した。そんな注目の銘柄ということで日経平均とともにこちらの値動きにも目を配っていたのだが、どうもその2つが連動しているとは言い難い状況なのだ。日経平均の終値が前日より上がっている日は任天堂が下がり、逆に日経平均が下がっていると任天堂が上がる。そういうケースが目立った。基本的には日経平均と連動する銘柄が多い中で、任天堂の株価はちょっと違っている。

 例えば9月は連動した日数が8であるのに対して、逆となった日数が12。10月は連動が9で逆が11。それぞれ60%と55%という半分以上の“逆連動率”なのだ。

 日経平均株価は、ドル・円の為替相場や海外(NYダウなど)の値動き、さらには日銀の金利政策発表内容や政変、災害などによっても左右される。しかし任天堂の株価がこんなに連動していないということは、上がろうが下がろうが値動きの要因が日経平均とは全く別のところにあるということなのだろうか?

 まあ、そんなことは株で儲けようという人にとって有益な情報でもなんでもないので申し訳ないが、話題の銘柄に関するちょっとしたネタということでご容赦を。

(文化部デスク・井上達也)