先日、元おニャン子クラブのメンバーである荻野(旧姓・布川)智子さんが中京スポーツ(東京スポーツ新聞社中部支社)を訪れた。3人の子供を持つ主婦として名古屋で暮らしている荻野さんは、現在、食育アドバイザーとして活躍。今月から名古屋市内でキャラ弁教室も開催していくという。

 おニャン子クラブといえば今から30年ほど前、日本中で大ブームを巻き起こしていた超人気アイドルグループだ。デビュー曲の「セーラー服を脱がさないで」をはじめ、出す曲すべてがヒットした。「ザ・ベストテン」や「ザ・トップテン」といった当時の歌番組には毎週、おニャン子のメンバーの歌が何曲もランクインしていたほど。会員番号33番で「シブがき隊」のフックン(布川敏和さん)の妹としても有名だった荻野さんもおニャン子クラブのレギュラー番組「夕焼けニャンニャン」で大活躍していた。

 1985年に結成されたおニャン子クラブは昨年、30周年を迎え、記念イベントを行ったという。荻野さんは内海和子さん、立見里歌さん、白石麻子さん、新田恵利さんら当時のメンバーと共に久しぶりにおニャン子としてイベントに参加。メンバーはみなアラフィフになっているだけに「更年期の話題で盛り上った」(荻野さん)という。

 とはいえ、荻野さんは実際の年齢よりもはるかに若々しくエネルギッシュだった。荻野さんの作るキャラ弁の写真も見せてもらったが、食材で作られたアニメのキャラクターはまるで芸術作品のよう。食育アドバイザーの他にもリボン作りなど多彩な趣味を楽しむその姿はとてもバイタリティーにあふれ、ママさんタレントとしてアイドル時代とはまた違った輝きを放っていた。

 30周年記念イベントに集まったファンは40〜50代の男性が中心だったというが、青春時代に追いかけていたアイドルたちに久しぶりに再会できた喜びで涙を流していたおじさんファンも数多くいて「熱いものがありました」と荻野さんはしみじみと語った。

「40周年の時もぜひイベントをやってほしいですね」。記者のこの問いかけに「40周年の時はもうみんな60歳だからヤバイですよ。恐ろしいです」と笑っていた荻野さんだが、これからの高齢化社会の中で還暦を迎えたおニャン子たちが、歌い踊る姿を見たいというオールドファンも多いはず。40周年、いや50周年とぜひともアニバーサリーイベントで元気な姿を見せてほしいと思う。

(中京編集部長・宮本泰晴)