清原和博容疑者(48)の覚醒剤事件では、プロ野球のスーパースター選手として稼いだ50億円以上が消えていた、そのお金の使い道に興味がある人も多いと思う。なかでもかなりの金額を使っていたのが銀座の高級クラブだった——。

 その清原容疑者には期間では負けるだろうが、短期間に放蕩ぶりを見せていた人物が1995〜96年にいた。「オレンジ共済事件」のバカ息子(29=当時)だ。

 友部達夫参議院議員(68=当時)の政治団体が運営していた「オレンジ共済組合」は、年利7%をうたい文句に約2500人から約90億円を集め、破綻。97年に友部議員をはじめ、理事長の妻(61=当時)とともに詐欺容疑で逮捕されたのが次男だった。

 90億円のうち、使途不明金は40億円にのぼり、多くは友部議員の政界工作に使われたが、次男は裁判で認定されただけでも人様から預かったカネ約7億円を使い果たしていた。話題になったのはそのおバカすぎる使途だった。

「当時は計13億円を本人いわく“投資”に使ったと言っていました。F1カーを5000万円で購入して飾り、F1モナコ観戦旅行で4000万円、F1鈴鹿観戦には銀座ホステスを連れ、ヘリで1000万円をかけて行った。ロールスロイスやフェラーリなどの高級輸入車計1億8000万円、高級熱帯魚アジアアロワナ約1億円。銀座のクラブでの豪遊は分かっているだけで4億〜5億円でした」(週刊誌記者)

 当時、次男が通った高級クラブ関係者と接触するとその通りだった。

「95年秋から96年前半ごろまではほぼ毎日来て、とりまきの中心に座っては『今日は1000万(円分)飲むぞ!』と豪語。ドンペリなどをポンポン開けて、お勘定は200万〜300万円が普通で、多いときには800万円くらいいってましたね。それから別の店にホステスらとアフターして同じくらい使っていた」

 お気に入りのあるホステスには入れ込んで洋服や時計、車など計1000万円以上を貢いだものの、親密にはなれなかった。だが、クラブでは絵に描いたような成り金ぶり、大盤振る舞いだった。

「テーブルの上でこれみよがしに札束の帯を切って見せ、ホステスを1列に並ばせて、適当につかんで数万円を渡す。ホステスたちは毎回チップがもらえるのでアフターのオカマバーなどにも表面上は喜んでついて行ってましたね」(同)

 懲役8年の刑期を終え、現在は不動産・自動車のブローカーをしているという次男は昨年「週刊新潮」の取材に応じ「銀座のクラブは政治家などを接待するためだった」と話していた。

 一方、清原容疑者の場合はバットでまっとうに稼いだ50億円だから、このバカ息子とはまったく違う。清原容疑者は常々「子供に夢を与えるためにいい車に乗る」と高級輸入車に乗り続け、銀座のクラブでは「しみったれた飲み方、できるかい!」と豪快に飲んでいたという。どれほどカネを銀座で使ったのか。

「報じられただけでも交際していたママ、ホステスが20〜30人はいた。今回の事件では過去、一緒に覚醒剤を使用していたとされるママ、離婚後、再婚すると噂されたママ、逮捕まで結婚前提に交際していたハーフの女子大生ホステスなどが報じられてますが、銀座の洗練された女が好きでしたからね。六本木や新宿にも行ってたようですが、推定だけどこれまでに10億円くらいは銀座に落としていると思いますよ」

 清原容疑者は離婚時、慰謝料も払えず、養育費のみ、マンションを売却して8000万円を渡したとされる。

 その時々の“時代の寵児”が見られる銀座のクラブ街だが、清原容疑者の場合、薬物にさえ、手を出さなければ“豪快伝説”で済んだはずだったが…。

(文化部副部長・延 一臣)