マザー・テレサだけではない“奇跡”は日本でも起きている

2015年12月31日 12時00分

 1997年にインドで死去したマザー・テレサ(87=当時)が、カトリック教会で最高の崇敬対象「聖人」に認定されることが発表された。

 死後に起こした奇跡の認定が必要だったが、2008年にブラジル人男性が脳の手術中、助かる見込みがないとされたものの、妻がマザー・テレサに祈ったところ回復したという、科学では説明できない出来事が「奇跡」だとローマ法王庁(バチカン)の列聖省に認められたからだ。

 東スポ記者としてこれまで数多くの超常現象を目の当たりにしてきた。1992年3月26日付紙面で報じた、福岡県田川郡の住宅地の壁に現れた「お地蔵様6体、不動尊1体」もそうだった。

 87年の七夕、その壁の向かいに住む男性が植木の水やりのついでに壁のコケや砂を洗い流すと「錫杖(しゃくじょう)」を右手に持ったはかま姿のお地蔵様が現れた。“身長”約40センチの地蔵画は、山からの鉄分を含んだ湧き水が自然と固まって描かれたようで、触ると鉄サビのような線が1〜5ミリほど盛り上がっていた。

 周辺ではその後、同様に「子供を抱えたお地蔵様」などが次々と発見された。テレビ局が連れてきた霊能者が「裏山の楠の木の根元にもう一体埋まっている」と言うので男性が掘ると、縦70センチ、横30センチの石が出て、そこにもクッキリとお地蔵様が現れたという。

 さらに9月、壁の向かいにある木製地蔵を祭っていたお堂が火事になった時、お堂は全焼したのに木製地蔵や写経、髪が伸びるといわれるお遍路人形は無事だった。この時、消火に使った男性宅の人工池の石からは、火炎をバックに仁王立ちする「不動尊画」が現れた。

 そして、取材の1か月前に6体目のお地蔵様も現れた。以来、これらは男性の手で手厚くまつられ「訪れる人々のぎっくり腰やリューマチが治った」などの奇跡を起こしたが、その後、お地蔵様たちは自然と消えていったという。

 96年2月に起きた北海道・豊浜トンネル崩落事故では、山肌の巨岩に仁王様のような人面が浮かび上がっていたのを目にした。事故は70×50×13メートルもの岩盤が崩落してトンネルをふさぎ、通行中だった路線バスの乗客18人、運転手1人、後続の乗用車の運転手1人の計20人を一瞬でのみ込んだ。

「事故の2年前と5年前に小規模な崩落事故が起きていたのに、しっかりとした調査を所轄の北海道開発局が行っていなかった。事故後、ダイナマイトで何度、発破をかけても居座った巨岩の顔は『自然ナメるな』と言っているようだった」と、当時一緒に取材したテレビ局記者は振り返る。

 北海道開発局の幹部2人が書類送検されたが、不起訴。遺族の一部は国を相手取り、民事訴訟を起こしたが、判決は賠償金支払いのみで責任はあいまいになった。これが自然災害の常だ。

 同僚が取材したものでも様々あった。93年7月の北海道南西沖地震(M7・8)では奥尻島のマリア像だけがしっかり立っていた。

 2011年3月の東日本大震災の津波に耐えた岩手・陸前高田市の「奇跡の一本松」は世界中で知られることになった。同僚記者は福島第1原発近くの寺の敷地の手前で、津波がピタリと止まった奇跡を記事にした。

 こうした説明のつかない現象の数々を取り上げるのは東スポの醍醐味。読者のためにも今後も力を入れていきたい。


(文化部副部長・延 一臣)