【ニュースのフリマ】参院自民が欠席した「新型インフル等特措法」の採決過去

2020年03月05日 15時26分

 成立への動きが進みそうな雲行きの、新型コロナウイルス感染防止のための「新型インフルエンザ等対策特別措置法」改正案。8年前の民主党政権時代にできた同法は、与野党政争に巻き込まれていた過去がある。

 同法は2012年、3月に衆院を通過して4月27日の参院可決で成立した。押しボタン式投票が行われている参院本会議では各議員の賛否が明らかにされている。同法については民主党・新緑風会が賛成103票・反対0だったのに対し、自民党・たちあがれ日本・無所属の会(86人)は賛成も反対も0。採決の場にいなかった。

 自民がこの法案に賛成できなかったのかと思いきや、先立つ衆院の審議では賛成している。当時民主党参院議員で現立憲民主党の福山哲郎氏のウェブ日記によると、参院は閣僚問責決議以降、自民党が審議に応じない姿勢をとっていた。

 10年の参院選で民主党が議席を減らし、参院は野党が上回るねじれ状態に。そのため12年4月、田中直紀防衛相と前田武志国交相の問責決議が成立。新型インフル等特措法案は政府提出法案のため、問責を主導した自民は審議拒否に転じていたという。

 参院の採決では、野党の公明党、みんなの党が欠席者1人を除く29人全員が賛成。全体で9票の反対は共産党と社民党の議員が投じた。

 同法の施行は13年。すでに政権は交代しており、安倍内閣で官房長官に就いた菅義偉氏は同年5月、政府与党協議会後の会見で「中国で発生している新型インフルエンザは万が一に備えて、先週新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行令を決定した」と語っている。この発言は中国で鳥インフルエンザの感染が拡大したことを受けて施行を早めたことを指す。

 人権との関係で世論の反対意見も少なくなかった法律が今回、強化されリニューアル版と化すわけだが、オリジナルは政争により参院自民党が成立に協力していなかったという因縁もあった。

(渡辺 学)