【ニュースのフリマ】無観客でどうなる舞の海氏らの「向正面席」

2020年03月02日 14時21分

 無観客で開催される大相撲春場所の放送は、NHKホームページによると初日の幕内は正面が元横綱の北の富士勝昭氏、向正面が元小結・舞の海秀平氏という毎場所恒例のコンビで行われる。ここで注目は舞の海氏の態勢だ。

 向正面の放送席はマス席エリアにあるだけに、解説者(ゲストの親方も含めて)はファンの視線を浴びたり、場合によっては声をかけられることも。そんな日常風景が、無観客となると変わってくる。ガラガラの館内で解説者とアナウンサーだけがポッコリ浮いてしまう何とも妙な光景が予想される。

 いっそのこと向正面の放送席をなくして、正面の放送ブースで肩を並べて…というわけにもいかない。反対側からの視点による解説がないと、正面から見えない部分の攻防が視聴者には分かりにくい。ということで向正面の解説はなくせない。

 問題が前述した見た目だけなら、解説者のアップのみの映像を流せば視聴者に違和感は与えないだろう。もっとも、さらには「音声」も要対応の課題になるのでは。

 無観客で静まり返った館内で解説者やアナがしゃべっていれば、その声も響きやすい。観衆らの音声が全体として醸しだす〝雑音〟よりも、個別の話が聞こえてくる方が耳障りということは珍しくないだろう。

 土俵上に届くような声で自分の相撲を論評、あるいは辛口コメントでもされれば、仕切りに集中できない力士が出てくるかもしれない。笑い声でも上がったら、いったい何の話で盛り上がるのか気にならないかとも想像してしまうが、そこは力士個々の集中力が問われることろだ。

 ということで、向正面の放送は席の設置場所や話し声の大きさなどを勘案した態勢になるのか。終始観客がいないということは、横綱も新弟子の前相撲状態の環境で土俵を務めることをも意味する。番付社会で妙な“平等”が生まれる。

(渡辺 学)