【ニュースのフリマ】元稀勢の里は師匠さながらの「強い親方」

2020年01月06日 13時18分

 12日の初場所初日を控えた大相撲で、大関昇進を狙う関脇朝乃山(25)が、出稽古で荒磯親方(33=元横綱稀勢の里)に1勝16敗と惨敗したことが本紙など各メディアで報じられた。昨年初場所中の引退から1年。「強い親方」と言えば、かつての師匠を思い起こさせる。

 荒磯親方が所属する田子ノ浦部屋の前身は、元横綱隆の里(故人)が1989年に創設した鳴戸部屋。荒磯親方にとって鳴戸親方は、2011年に死去するまで師匠だった。現役最盛時は身長約181センチ、体重約158キロ。筋骨隆々の肉体から「ポパイ」とも呼ばれ、86年初場所で引退後も後輩に胸を出していた。

 引退後の力士は元貴乃花親方のように数年で激やせする例もあるが、鳴戸親方は固太りの肉体を保っていた。筆者が相撲を取材していた90年代後半も、まだ変わっていなかった。引退から10年が過ぎ、さすがに弟子に稽古をつけることはなかったようだが、「現役でもそこそこいけるのではないか」との冗談が周囲から聞かれたほどのたくましさ。同期で盟友の元横綱二代目若乃花の間垣親方(当時)は「やせたらかえって体を悪くするんじゃない?」と、その体形こそ活力源であるかのように話していた。

 翻って荒磯親方。今後は早大大学院で学ぶことが決まっているなど、研究熱心な姿勢は元隆の里をほうふつとさせる。体も維持して土俵で若手力士にとって“壁”となれば、同じ「強い親方」の道を歩むことになる。

(渡辺 学)