【ニュースのフリマ】国立競技場の行く末

2020年01月02日 10時00分

 元日の風物詩の一つ、サッカー天皇杯決勝の舞台としてファンの前に帰って来た国立競技場。次なる舞台は11日、ラグビー大学選手権決勝戦が行われる。

 新年といえばすり鉢型で屋根がほとんどない旧競技場は大忙しだった。天皇杯決勝の翌日はラグビー大学選手権の準決勝2試合、翌3日はアメリカンフットボール日本一を決めるライスボウルと日程が決まっていた。

 さらに一時期まで15日で固定されていたラグビー日本選手権のほか、全国高校サッカーの準決勝と決勝も。12月も加えれば、ラグビー早明戦にサッカーのトヨタカップと国立は酷使され、ピッチには3種類のフットボールの白線が混在するかのようにうっすら残っていた覚えがある。2月には男子の東京国際マラソンもあった。

 翻って2020年。2月以降は5月にジャパンパラ陸上、陸上の五輪テストイベントにセイコーゴールデングランプリ、嵐のコンサートが予定されている。五輪直前のため使用を抑えているのかもしれないが、一方で各競技の「脱国立化」も進んでいるように見える。

 かつては「目指せ!国立」という言葉も聞かれた高校サッカーだが、準決勝以上は埼玉スタジアムが会場。すでに日本代表も含めてサッカーの聖地は埼スタだろう。1990年代初期に国立を離れたアメフットは、東京ドームが聖地。ラグビー界にとって国立は大きな存在であるが、聖地といえば「東の秩父宮、西の花園」に尽きる。

 サッカーとラグビーの両W杯の開催国となった日本で、いずれも決勝戦は日産スタジアムこと横浜国際総合競技場が使われた。ラグビーの場合は工期が間に合えば会場となったとはいえ、結局、国立の「不在」は深刻な問題にはならなかった。

 国立競技場がなかったこの5年間、本当に困ったという話も聞かず、報じられてもいない。五輪とパラリンピック後の後利用計画で、当初の球技専用方針からここにきて陸上のトラックを残す可能性が取りざたされている。前出のような流れをみれば、聖地たりうる競技は陸上ぐらいしかなさそう。規模縮小の陸上競技場が適切では…。

(渡辺 学)