【ニュースのフリマ】吉野さんの次に「地球を救う」科学技術

2019年12月28日 12時00分

 このところ量子コンピューターに関する新聞記事が少なくない。2019年のノーベル賞候補に関係する研究者の名を挙げる報道もあったが、この技術はリチウムイオン電池で同年の化学賞を受賞した吉野彰氏と相通じるところがある。

 報道された吉野氏の受賞講演によると、IT革命に次いで環境問題の解決が新たな革命として起こるだろうと主張している。電池の耐久性の向上や蓄電インフラの整備により、持続可能な社会が実現できるとの展望を示した。車に供給するのは太陽光や風力で作った電気だという。

 持続可能で言えば、数年前に著名な量子コンピューターの研究者が内々の場で以下のように語っていたのを聞いたことがある。

 次世代スーパーコンピューターの開発で、某国の計画するものは「それなりに速いが、驚くべきは、1台動かすのに原発1基が必要」なこと。世界で「このまま現在のコンピューターを拡張してツイッターやフェイスブックをやると、地球は滅びる。ITが地球を滅ぼす時代がすぐそこまできている」。既存型コンピューターの発達に持続可能性はないというのだ。

 一方、既存型でない量子コンピューターは「情報の流れとエネルギーの流れがほぼ同じ方向を向いているので、最もエネルギー消費が少ない」。最近も「スパコンが1万年かかる計算を量子コンピューターは3分20秒でやった」とのニュースもあったが、量子コンピューターは「もともとは高速計算をするものでなく、最もエネルギー消費が少ないものとして提唱された」。

 世界が開発を競う量子コンピューターを巡っては「誇大広告」的な発表もみられるという。膨大な電力を消費し、熱を発するコンピューター群。いずれ「本物」の量子コンピューターが登場したら、吉野氏の言う環境問題の解決に寄与するに違いない。

(渡辺 学)