【ニュースのフリマ】JC外国馬が「黒船」だった時代

2019年11月21日 15時32分

「日本馬は完全に敗れました」

 そんなようなテレビ実況アナウンスがあったのが、1981年に開催された競馬の第1回ジャパンカップ(JC)。あの衝撃を経て日本馬の優勝が当たり前になり、ついに今回、初めて外国馬の参戦がなくなった。

 創設当初は日本競馬界の「開国」と言われたJC。米牝馬メアジードーツがグリーングラスの記録を1秒上回る2分25秒3のレコードで優勝した第1回は、黒船襲来級のインパクトでファンに受け止められた。果敢に逃げたサクラシンゲキは最後の直線まで粘ったものの9着。有馬記念と天皇賞を制した前年度代表馬ホウヨウボーイやダービーなど大レースで2着多数のモンテプリンスは6、7着に沈み、地方出身ゴールドスペンサーが5着で日本勢最先着となった。

 それでも第1回の外国勢は超一線級を欠いたと言われたが、第2回はGⅠ通算2桁勝利のジョンヘンリー(米国)や実力世界一と評判のエイプリルラン(フランス)が登場。逆に日本は宝塚記念馬カツアール、天皇賞2着のヒカリデュールなど手薄に。レースは前年から一転、スローペースで地方出身カズシゲが逃げるも、米牡馬ハーフアイストが2分27秒1で差し切り。日本勢最上位はまた5着(ヒカリデュール)だった。

 悲願の日本馬初制覇をカツラギエースが遂げたのは84年。「競馬の正体 上巻」(ミデアム出版社)で白井透氏はこう書いている。

「日本は相当な額の投資を行ってサラブレッドを生産し、競馬を開催して来た。(中略)日本の馬が負けつづけていたのでは、競馬サークルはファンに対して面目を失するところだった。今年大きく負けていたら、ファンの日本のサラブレッドに対する不信は抜きがたいものになったろう」

 スピードがすべてではないが、JCと同じ東京競馬場の芝2400メートルのレコードは2分20秒6(アーモンドアイ=2018年)まで塗り替えられた。今月2日に行われた3歳以上2勝クラス・南部特別の勝ちタイム2分25秒0(ミッキーバード)はメアジードーツより速い。

 20日の日本経済新聞朝刊記事は、外国馬不在について「来ても勝てないのが最大の要因といえる」としている。時代の変化を示す決定打が、今回のオール日本勢という新事態なのか…。

(渡辺 学)