【ニュースのフリマ】浦和高ラグビー6年間のV字復活

2019年11月18日 14時59分

 ほのぼのした光景だった。

 16日に行われた全国高校ラグビー埼玉県大会決勝を制した県立浦和の選手たちが、表彰式と記念撮影終了後、熊谷ラグビー場のピッチでランパスをやりたいと言いだした。監督らチーム関係者からは「やらなくていいよ」「1本だけなら」との声が飛ぶ中、選手たちは嬉々とした様子で軽く体を動かしていた。

 川越東高を29―17で破り、6年ぶり3大会目の全国大会(大阪・花園ラグビー場)出場を決めた。2013年は「54年ぶり」のためか、歓喜に浸る感もあったが、今回は試合内容同様に落ち着いた雰囲気を漂わせていた。

 この6年、大敗とアクシデントを経て再度の花園行きを遂げた。14年は準決勝でライバル深谷に0―55。16年は同じ相手に決勝で12―31と敗れ、17、18年は準決勝で消えた。一部大会の不参加もあり、その理由は重傷者の発生とも言われる。花園切符をつかんだ13年も、決勝戦の終了間際に頸椎損傷の選手が救急搬送され、リハビリに専念するアクシデントがあった。

「6年前にここ(熊谷ラグビー場)で事故があって、1年後にまた重傷事故が。頸椎損傷ですけれど(その後は)安全面とかずっと気をつけて、体づくりと安全面を積み上げてきた。基礎的な、けがをしないようなスキルみたいなのは、(決勝戦の)最後のタックルのところに生きているのかなと思っていたりするのですけれど」(三宅邦隆監督)

 けがを防ぐ有効策としてスキル向上に努め、練習試合などでは無理なタックルには「行かなくていい」とした。「ダメだったら抜かれてもいい。そこで無理するからけがをする」。負傷のリスクを減らして止める技術をみがいてきた。

 38歳の三宅監督は小林剛前監督の下で7年間コーチを務め、監督2年目にして全国舞台へチームを導いた。就任後は自主的に考えさせることに努め、練習内容を任せる日もある。「もうちょっと教えて」「怒ってください」と〝反発〟されることもあるというが、それでも「僕はほとんど怒らない」姿勢を貫く。

 13年に約70人いた部員は微減も、今年は24人の大量入部で計53人に。進学校としても知られる県浦和が花園で新たな戦いに挑む。(渡辺 学)