【ニュースのフリマ】ラグビー組織委と「プロ運営者」

2019年11月12日 13時27分

 閉幕して1週間が過ぎたラグビーW杯日本大会の組織委員会のスタッフから、ご丁寧にもあいさつメールを受け取った。出向元に戻り、今後は別のスポーツに関わるという内容だった。

 東京五輪・パラリンピックでもおなじみの「組織委員会」。期限付きの団体であり、大会の終了後に残務整理を経て解散する。ラグビー組織委は開催決定翌年の2010年11月に設立され、準備と大会運営にあたってきた。解散は来年とみられるが、それまで全員が在籍しているわけではない。

 開幕前にあった関連イベントで、組織委のメンバーは約350人おり、少しずつ減ってきていることが語られた。準備に人手を割くが、忙しさのピークを超えると、仕事がなくなった人が去り始める。出向者がほとんどのため、業務をこなす一方で就職説明会に参加する人もいたという。

 こうしたパターンは五輪も同じで、こちらは規模がはるかに大きい。60人でスタートした人員が8000人に膨れ上がる(全員がオフィスに通うわけではないが)。開催決定以前には「招致委員会」が活動を行う。東京五輪で言えば、16年の招致委員会があり、失敗と解散を経て20年向けの組織が発足した。この過程において、招致委から組織委に入る(もしくはできる)職員もいれば、出向元にとどまるか別の現場に進むなど、人それぞれ。

 今W杯では、日本サッカー協会職員が舞台裏で手伝ったことも報じられた。02年にW杯日韓大会を経験したサッカー界にはノウハウがある。いわば運営のプロがアジア初のラグビー大イベントに助っ人として貢献してくれたと言える。

 力と技を頼りに国境をも越えてチームを渡り歩く(生涯同じ所属の選手もいるが)のがプロアスリートなら、その運営者版もいる。日本なら国体の開催自治体で腕を振るう人。世界的には、国際大会の立候補都市に助言する「招致請負人」も。

 ラグビーW杯からも、他の競技を含めたプロ運営者が生まれる可能性がある。来年の五輪・パラリンピックでその質も量も高まるはず。これも日本のスポーツ文化の成熟につながるだろう。
     (渡辺 学)