【ニュースのフリマ】日本スクラムと清宮氏人脈

2019年09月30日 14時15分

 ラグビーW杯日本代表の快進撃で評価されている一つがスクラムの強さで、指導する「スクラム番長」こと長谷川慎コーチ(47)にもスポットライトが当てられた。

 中大からサントリー、2003年W杯などに出場しキャップ40の長谷川コーチについては、ヤマハ発動機時代に仕事をともにした清宮克幸前監督(52=現日本協会副会長)が4年半前、日本記者クラブでの会見でこう語っている。

「他チームがやっていないもの、スクラムとモールを徹底してつくっていこう。スクラムは(自分が)直接教えることができないので、長谷川慎。彼の力が絶対に必要。彼を口説いて、何とか口説き落とした」

 清宮氏がサントリー主将だった当時の新入社員が長谷川氏で、時が過ぎてその関係は監督—コーチに。11年春からヤマハを率いるにあたり、長谷川氏を引っ張る。とはいえサントリー型スクラムのコピーでなく「新しいスクラムをつくる」ため、武者修行として長谷川氏をフランスに送り出した。

 とかく「シャンパンラグビー」という言葉でフランスのラグビーは華麗だと思われがち(日本では)だが、その真髄はスクラム。スクラムだけを練習する場所があり、1億円ぐらいをかけた施設もあるとか。1部リーグのクラブを転々とする日本人をフランスは快く受け入れ、「彼が持って帰ったものをヤマハオリジナルに落としていく」練習を重ね、FWだけでフランス合宿も行った。長谷川氏と意見の合う指導者をフランスから短期招聘したこともあったという。

 そもそも日本のスクラム強化は、南アフリカを破るなど3勝した前回15年大会でも注目されている。当時はエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチがフランスから元代表のマルク・ダルマゾ氏をスタッフに加えた。足の位置をセンチ単位で指示し、背中の角度など細かいところに気を配る姿勢は長谷川氏と共通する。

 ダルマゾ氏が日本代表に関わるようになったのは12年。その前年から長谷川氏は武者修行に出ており、2つの「フランス」が交錯する。そして長谷川氏は16年から日本代表へ。昨季限りで指導者を引退し、協会役員に転じた清宮氏のヤマハイムズも日本の歴史的勝利に貢献した。

(渡辺 学)