【ニュースのフリマ】“本家”より先に存在したラグビー界の「EXILE」

2019年09月02日 15時30分

 カタカナがズラリ並んだラグビーW杯日本代表のメンバー表を見て、この世界にもかつて存在した「EXILE」が頭に浮かんだ。正しくは「エグザイルズ」。複数形のため「EXILES」となり、あの人気ユニットとは微妙に違うのだが。

 日本のラグビー界では国内所属チームの外国人選手を集めた「エグザイルズ」が時々結成され、地域代表レベルの強化試合の相手として招かれていた記憶がある。日本代表と対戦したこともあったかもしれない。1990年前後の記憶だが、ネット検索すると2007年5月、7人制日本代表がエグザイルズ(在日外国人選抜)と強化試合を行い、21—17で日本が勝ったという記録が見られる。

 第1回W杯(1987年)でベスト8に入ったカナダ代表でキャップ30以上を数え、主将も経験したFWグレン・エニス(サントリー)も呼ばれたことがあったかもしれない。それぐらい豪華な顔ぶれだったが、日本代表入りの条件を満たす者はあまりいなかったのか、代表予備軍というよりは「練習台」のような存在。「流浪者」などといったチーム名の意味とは裏腹に、ラグビー愛と日本への愛情がにじみ出るフィフティーンだと感じた覚えがある。

 前回10人だった海外出身者が一気に15人となった今回の日本代表。多文化主義の先進型、所属協会主義のラグビー精神の象徴とも言えるチームへの異論は目立たないが、増え続ける傾向についてはラグビー関係者が微妙な反応を示したのを目にしたこともある。

 元日本代表主将の松尾雄治氏を以前に取材した際、日本代表の強化やラグビーの普及のため「外国人のチームと試合をやって全国を回る」アイデアを聞いた。まさに日本VSエグザイルの構図。収益源にもなるという。

 桜のジャージーを着たい有資格外国出身者を排除してはいけないが、これだけいるスター選手たち(日本国籍取得者も少なくないが)を「エグザイルズ」化して強化に協力してもらうというのは興味深い。“本家”とも言うべきEXILEがこの名称で活動を始めたのは2001年だという。ラグビー界にはそれより早く、似た名前のチームがあった。

(渡辺 学)