【ニュースのフリマ】安倍政権改憲と「令和」考案者の同床異夢?

2019年07月08日 14時35分

「令和新時代:伝統とチャレンジ 新しい時代の憲法を目指します」

 自民党の参院選公約文書は憲法改正についてそう述べ、4つある改定項目の最初に「自衛隊の明記」を掲げている。

「新しい時代」とはもちろん、改元にあたって安倍政権が決めた新たな元号「令和」のこと。新時代にふさわしい憲法を作るとの意気込みで、憲法の象徴的条文である9条に手を加えようとしている。一時期議論を呼んだ「国防軍」などではなく、現在の条文を残した上で「9条の2」として自衛隊を明記するというから、「加憲」という理屈も成り立つのか。

 令和改憲を考える上で気になるのが、考案者とされる国文学者・中西進氏の憲法観だ。6月11日に掲載された毎日新聞インタビューで、戦争体験を振り返り、こう続けている。

「私たちにとって9条の変更はありえません。世界の真珠ですよ。ノーベル平和賞クラスです。国際的でありながら自立的、このふたつを矛盾なく持つ稀有な万葉の精神、そして令和の精神をこれからの日本にどう生かすかです」

 さらに「もし9条が変わりそうになったら」との問いには、「老骨が身を賭すときがくるのかもしれません」とも。

 ノーベル平和賞といえば、安倍氏はトランプ米大統領を推薦したことが話題になった。トランプ氏はおよそ9条の精神を体現する人物に見えないが、首相は令和の精神を知る学者が言う「ノーベル平和賞」には目を向ける気がなさそう。考案者とは同床異夢の?「新しい時代」なのか…。

(渡辺 学)