【ニュースのフリマ】池井戸ドラマ「ノーサイド・ゲーム」は辛口になるのか

2019年07月03日 15時17分

 1980年代に熱血ラグビードラマ「スクール★ウォーズ」で一世を風靡したTBSが、辛口感も交えてラグビーを描いた原作による「ノーサイド・ゲーム」(日曜午後9時)を7日から放送する。

 池井戸潤氏の同名小説は、社会人ラグビーを舞台に、チーム運営や企業内権力闘争のストーリーが展開される。ドラマの番宣CMでは主演・大泉洋の熱血風シーンが流されているが、原作は大泉演じる「トキワ自動車アストロズ」GMを通じて社会人ラグビーへの痛烈なメッセージも突きつけている。

 原作書籍の扉にはトリコロールのエンブレム、さらにチーム拠点が「横浜工場」となれば横浜マリノスを連想させるのだが、モデルはラグビーのトップリーグだとみられる。集客努力もなく、観客動員は低迷、資金は企業頼み…。いわば旧態依然としたリーグを抱える競技団体のトップに君臨するのは、老醜をさらすかのような人物だ。

 もちろんそれは、改革に取り組むラグビー素人・大泉GMの熱血ぶりを浮かび上がらせる背景描写であるにせよ、現実の同リーグを想起せざるを得ない。「いまの日本ラグビー界は、自立できない大きな子供だ」「日本蹴球協会ってのは腐りきった組織でな、こいつらが動かない」などといった辛口せりふが劇中に飛び出すかどうかは分からないが、組織としてのラグビー界は悪役のごとき描かれぶりではある。

 W杯日本大会が日本VSロシアで幕を開けるのは9月20日。ドラマの最終回はその前後が予想される。キャストを見ると、日本代表キャップ保持者を含む元選手らがズラリ。あの「平尾プロジェクト」1期生とおぼしき名も。さらにはW杯開催都市特別アンバサダーの女優。原作には、スポーツに欠かせない「目利き」と選手の交流場面もあり、目配りは細かい。

 おそらく壮観のラストとなりそうだが、スポーツ界でも流行の兆しを見せる「プロ経営者」を主人公とする原作の鋭さがどこまで反映されるのか——。

(渡辺 学)