【ニュースのフリマ】カラテカ入江騒動と吉本興業の「官」カラー

2019年06月11日 14時22分

 

 吉本興業から契約を解消された「カラテカ」入江慎也の“闇営業”問題が明るみに出たタイミングは、何とも皮肉なものだった。

 同じ6日、吉本芸人で元国会議員の西川きよしや吉本新喜劇のメンバーが首相公邸を訪れ、安倍晋三首相と昼食をともにしている。月末に大阪で行われるG20サミットへの協力に関連した表敬訪問だが、世界的イベントが開催される都市の象徴的存在である一方で、芸人のブラックな側面が広く知られるところに。すみやかな契約解除の背景には、そのあたりの事情もあったのではないかと勘繰りたくもなる。

 多数の芸人を抱える吉本は「官」カラーが強まっている。「吉本興業 内閣府」、あるいは「吉本興業 内閣官房」でヤフー検索すると、審議会や事業などの関連資料などがズラズラ。政府との近さがうかがえる。同じ検索を「ホリプロ」「ワタナベエンターテインメント」で行っても、ほとんどヒットしない。

 内閣府「クールジャパン人材育成検討会」に提出された吉本の「事業概要資料」(2017年4月)を見ると、各省庁との取り組みとして、法務省、国土交通省、スポーツ庁、復興庁、さらには国連まで出てくる。

 国連と芸人といえば17年、ピコ太郎が「持続可能な開発目標」(SDGs)の認知度向上でPR役を任ぜられ、ニューヨークの国連本部に乗り込んだ例がある。ピコ太郎はエイベックスのタレント。このSDGsについて吉本も、個別の目標に関する「プロモーション支援を行います」とうたっていた。

 4月20日には、G20絡みで安倍首相をなんばグランド花月に登場させている吉本。“芸人=反権力”などという見方はそもそもないのかもしれないが、中央政治との距離が近くなれば、コンプライアンス順守が厳格化するのも当然のことだろう。

(渡辺 学)