【ニュースのフリマ】皇室は男系だが角界は女系からホープ続々

2019年05月31日 15時02分

 皇位の安定継承をめぐって保守派が強調するのが「男系」の血筋。これに対する「女系」について、「女性天皇」とどう違うのかよく分からない人が過半数との大手メディアによる世論調査結果もあった。

 筆者の大まかな理解では、家系で父親を軸とするのが男系。男性天皇の娘が即位すれば「女性天皇」だが、父が天皇のため男系となる。その娘が皇室外の男性と結婚して生まれた男児は、母が天皇の血をひくため男系天皇とはならない。とりわけ、性染色体(男性=XY、女性=XX)におけるY遺伝子の存在が重要で、これが皇室では神武天皇から代々継承されているという。

 それゆえ女系天皇への反発があるようだが、一方で女系から有望力士が現れているのが角界だ。

 琴鎌谷改め琴ノ若の新十両が決まった、5月29日の大相撲名古屋場所番付編成会議。父親は元関脇琴ノ若(佐渡ヶ嶽親方)で、故横綱琴桜の先代佐渡ヶ嶽親方が祖父にあたる。父は先代の娘と結婚したムコ殿で、優勝5回の遅咲き横綱のY染色体をその孫は引き継いでいない。

 さらにこの夏場所、東幕下22枚目で6勝1敗の星を挙げ、名古屋場所に十両昇進がかかる納谷も祖父が横綱。優勝32回の大鵬で、その娘の息子のため女系だ。父(元関脇貴闘力、先代大嶽親方)も優勝経験者の名力士ながら、大鵬の血(Y染色体)をひくのは納谷の母親だ。

 私財も注ぎ込む部屋持ち親方は、いわば一国一城のあるじ。定年後もできれば身内に継がせたいのが人情だが、息子となるとまず力士を志願し、さらに年寄名跡取得に必要な実績を残すという高いハードルをクリアする必要がある。これが娘なら、実力ある力士と結婚してくれれば、部屋は一族に引き継がれる。角界では男児より女児の方が好まれるとの言い伝えもあるようだ。

 前出の元横綱2人にまつわる例はまさにコレ。過去には立浪親方(元小結旭豊)のように義父・妻側とドロ沼闘争に陥ったり、元関脇金剛が師匠の娘と結婚して名門二所ノ関部屋を継承すると大お家騒動が起こったケースもあるが、大相撲には女系の文化も続く。

 男系の成功例では、元大関増位山の三保ヶ関親方の息子が同じ四股名で大関を務め、部屋も継いだ。あるいは元大関貴ノ花の息子2人が綱を張った「若貴」の例。優勝経験者の元関脇栃東の息子は同名で大関まで上り詰め、部屋も継承。三賞14回の技能派・元関脇鶴ヶ嶺の井筒親方は3人の息子が関取になったばかりか、うち元関脇逆鉾は部屋を継いで横綱鶴竜を育て、同じく元関脇の寺尾(錣山親方)も自分の部屋を興した。
 
 もっとも、前出の男系例では3代目の関取はいない。角界で女系に「ノー」はない。

(渡辺 学)