【ニュースのフリマ】トランプ氏“一瞬”の土俵マナー違反

2019年05月27日 14時18分

 米大統領杯を大相撲夏場所千秋楽の土俵上で優勝力士の平幕朝乃山に授与した、ドナルド・トランプ氏。自ら希望した表彰だけにパフォーマンスに走る恐れはないのか気になったが、全体的にはしごく普通の振る舞いだった。

 米国人からの記念品贈呈といえば「ヒョー、ショー、ジョー」のセリフと着物姿で昔の人にはおなじみだったパンアメリカン航空のデービッド・ジョーンズ氏(2005年死去)が歴史に残る。さすがに大統領が奇をてらうようなことはしないにしても(ジョーンズ氏がそうだったということではない)、伝統やマナーからの「逸脱」は起こりかねない。

 そんなトランプ氏は無難に表彰を終えたと言えるのだが、小さな“やらかし”も見られた。朝乃山に片手で賞状を渡したのもさることながら、最後に一瞬、正面に背を向けてしまったのだ。

 土俵上の所作で大事なことの一つが正面に背を向けないこと。礼を失する行為とされると聞いたことがある。実際、理事長と横綱、大関が四方に頭を下げる初日と千秋楽の協会あいさつや取組中の力士や行司を除けば、土俵に上がった人間が正面に背中や尻を向けることはない。

 その点、大歓声に包まれ登場したトランプ氏がファンサービスで向正面の客席に手を振るようなことが仮にあれば、マナー違反に。幸い、感情むき出しのパフォーマンスはなかったものの、大統領杯を渡した後で、近くに立っていた安倍晋三首相と握手した際に背中が正面に向いてしまった。この場面、NHKの生放送では流れなかったが、観客の投稿動画を見ると分かる。

 トランプ氏を土俵に上げるにあたって、日本相撲協会からどのような事前レクチャーがあったのか。議論を呼んだ女人禁制など、大相撲の土俵に上がるに際してはいろいろな“縛り”も伴う。といって、それを教えられても忠実に守る大統領にも思えないが…。

(渡辺 学)