【ニュースのフリマ】改元でも変わらぬW杯・五輪の「平成」

2019年04月30日 16時00分

 1 元号は、政令で定める
 2 元号は、皇位の継承があった場合に限り改める

 1979年(昭和54年)制定の元号法の条文はこれしかない。戦後の法改正で法律上の根拠を失った「昭和」が終わると、元号そのものがなくなってしまいかねないことから制定されたのが元号法。至ってシンプルだが、改元の政令もまた短い。

 内閣は元号法第一項の規定に基づき、この政令を制定する元号を○○に改める

 ○○が30年前は「平成」であり、今年4月の政令では「令和」となった。附則も異なり、約200年ぶりの生前退位に伴う改元の今回は「この政令は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行の日の翌日から施行する」と、前回にはなかった一文が記された。

 かくして「平成」は去り「令和」の登場となるのだが、9月開幕のラグビーW杯と来年の東京五輪・パラリンピックにはひそかに「平成」の文言が残る。

「平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法」

「平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法」

 両法にある年号は、改元をもって「令和」に即変換されることはない。

 生前退位とそれに伴う改元の法手続きが定まった当時から、「古い元号を用いた法律上の文言はどうなるのでしょうか。新しい元号による表記に改めるため法律改正をする必要があるのではないか、という問題が生じます」(参議院「立法と調査」2018年7月)との指摘がなされていた。

「令和」が発表された1日、「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議申合せ」として、法令については、「『平成』を用いて改元日以降の年を表示している場合であっても、当該表示は有効であり、改元のみを理由とする改正は行わないものとし…」と現状維持の方針が示された。

 両特措法は国として開催支援を行う趣旨で、この法律がW杯やオリパラの前面に出るわけではないが、「平成」の名がこのビッグイベントに残される格好だ。

(渡辺学)